ぷちんっ

私の服のなかでそんな音がした。どうやら背中に違和感が消えないので自分で触って確かめてみる


『……あ、』


小さく声を漏らした
下着、つまりブラのホックの外れる音だったのだ


「彼女どうしたの?」


隣ではヒロトが私の呟きに反応したらしく不思議そうに見つめてくる、そうだ今は久しぶりに2人で遊ぶ、つまりデートしていたんだった。うぅ、最悪だ。
片手にはバックを持っているためにもうひとつの手でホックを留めれるほど私は器用な手の持ち主ではない、どうしよう、どうしよう。ほかっとけばいいのかもしれない、肩紐がついてるために簡単には落ちたりしない。だか私の今日の服装はワンピースだ、胸元を手でぎゅっと布を掴む。


「さっきからそわそわしてどうしたの?」


うぅ、ほんとこういう時は敏感に感じとるんだから、ばかやろう。私は平然を保ってなんでもない、と笑った

ああ、背中に違和感、胸が揺れる。そんなにおっきい胸じゃないけど揺れるものは揺れる、なんだか恥ずかしくてたまらない。どうしよう、どうしようとまた同じように悩んでいると公園にワゴン車のアイスクリーム屋がある、そうだ。


『あ、ヒ、ヒロト…アイスクリーム食べたいな』

「良いよ、何味?」

『え、あー…ヒロトと同じのでいいよ』


わかった、と言ってヒロトはワゴン車のアイスクリーム屋まで向かった、よし、今だと思い近くのベンチにバックを置き、座る。ワンピースの下から両手を突っ込み急いでホックを探す、あれ?ない、ない!……あっ、みつけー…


「はい、彼女」


ヒロトの声に俊敏にワンピースの下から両手を降ろす、くそう、駄目だった。せっかく見つけたのに


『あ、ありがと……』

「うん、ストロベリーだよ」


アイスクリームを受け取り、ちまちま舐める。だめ、ほんと、落ち着かない


「あ彼女、後髪になんか付いてる」

『え?なに?取ってくれる?』

「うん」


ガシリと腰を掴まれて後ろを向かされ、ワンピースの中にヒロトが手を突っ込んできた


『ひゃ!ヒ、ヒロトなにし……』


そして消えた背中の違和感。


「ブラのホック外れてたよ」


ニコリ、ヒロトは微笑んだのに私は体温が上昇していった。



あぁ君にはお見通しだったのね
















***

本気ネタ。
風音だけじゃないよね


100610





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