朝学校来てまずする事
隣の席の彼女を探すのだ
そしておはよう一哉、と笑顔で言ってもらうそしたらおはよう、と俺も笑うんだ。

だけど今日は彼女がいない。
どうやら風邪らしく、この季節だと春風邪だろうか。彼女が居ない、だから俺は学校を早退。だって彼女のいつも居る場所なのに居ない場所で過ごす時間は勿体無いだろうから。


ピンポーンと家のチャイムを鳴らすとパジャマ姿の彼女が冷えピタを付けて玄関から出てきた。
フラリと倒れかける彼女を両腕で支える。
彼女の体は熱かった
そのまま抱えたまま二階の彼女の部屋へ運ぶ
彼女は誰も居ないのに恥ずかしいのか弱い力で俺から降りようとするが無力。赤い顔がさらに赤くなっていた


「辛くない?」

『ん…平気。』

「何か食べる?作ろうか?」


彼女の呼吸がいつもより荒くて苦しそう。
前髪がほんのり汗で肌にくっついて少し艶っぽい

俺の言葉にふにゃりと彼女は笑った。


『いいの?…作れるの?』

「俺も独り暮らしだからね」

『そっか…じゃあ食べたいな』

「俺を?」

『ごはんを!』

「残念、了解しました」


下の台所を借りてお粥を作る、薬箱から風邪薬を二錠とって二階へまた上がる


「出来たよ」

『早いねって…一哉?』

「はい、あーん」

『…自分で食べるよ』

「だーめ、病人は寝てて?」


俺がにっこりと笑うと彼女は苦笑いして口を開けた
案外引いてくれるのが早いのは風邪のせいかな
ふーと熱いスプーンのお粥を冷まして彼女の口に入れる。
おいしーとまた力無く笑う、可愛い。


「はい、薬」

『……やだなあ』

「口移しのおねだりしてる?」

『してないです…って一哉!?』


俺は水と薬を口に含んで彼女の口内へ流す
コクンと飲み込んだのを確認し、唇を放すと彼女は目線を俺に合わせないように布団へ潜った。


『ありがと…一哉、好き』

「うん、知ってる、おやすみ」


彼女の頭を撫でるとまた彼女がふにゃり、と微笑んだ。

いつも可愛いけど、熱を帯びた彼女も可愛いねと呟くと彼女は寝相を反対側に変えた、起きてたなんて事を知ってた

確信犯は俺だよ。

















***

一之瀬に看病してもらいたい。






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