―8日目―



「わーーー!」


朝は俺の叫び声で始まった
それに家の廊下がバタバタ響いて扉がバーンと
俺の名前を鳴らして開いた。


「彼女!」


クソビッ…じゃなくてグランが一番最初に部屋に飛び込んできた。
俺が叫んだらのに何故彼女の名前を叫ぶんだよ


「彼女、彼女……!」


ガゼルが彼女の姿を見るなり額に手を当ててガクリと膝を着いた


「俺は待っていたよ…この時を!」


グランは喜びに満ちているのか体を震わせている

そういう場合じゃない!
3人とも違う様子を示しているが彼女の姿は完璧ににゃんにゃ…猫になっていた。


『あ、ヒロにゃん…』

「ああっ…彼女がにゃんこになってる……」

『彼女はにゃんにゃんだよー』


有り得ない、彼女がこんなグランに可愛げなオーラを放ってまさかのヒロにゃん、有り得ない、有り得ない。大事な事だから三回言おう。
しかもグランは彼女に触りまくってるというのに気持ち良さそうに笑っている。


「彼女はかわいーねー?」

『えへへーヒロにゃんも可愛いよー』

「……もう俺死んでも後悔しない」

「じゃあ今すぐ死ね」


彼女にベタベタなグランをガゼルが離すとまた凍てつく闇の視線で俺を睨んできた


『ふうにゃん?』

「…っ、バーン!!」

『はるにゃん?』

「……どうすればいい?」

「自分で何とかしろ馬鹿!!」


そう言われても…どうすればいいのか目の前には有り得ないぐらいデレ…笑っている彼女。


「もうこの可愛い彼女のままでい」

「「黙れクソビッチ!」」

『にゃ……?』


彼女は耳が元からあるようにピクピク動かして首を横に傾ける。

…何だこの可愛い生き物
じゃなくて!
俺が必死で考えを飛ばそうとしているとガゼルはグランの首に掴みかかる。


「おい、そろそろ出せ」

「…やだなあガゼル」

「お前の事だ、あるんだろ」

「……分かったよ」


グランは服のポケットから青色の飴玉を取り出すと俺に渡した。
てかガゼル知ってたのかよ……


「飲ませた人が口移しでしないと元に戻らないからね」

「「はあ!?」」

「じゃあ俺は帰るね」


バタンと部屋のドアが閉まった。
沈黙が流れるこの室内が息苦しい。


「早くしろ…私は行く」

「お、おう」


次にガゼルが部屋から出てく

バタン、ドアが閉まり、俺は彼女をチラリと見る。


『はるにゃん?』

「う………ちくしょう!」


彼女と唇がくっつく
ゴクン、喉が鳴った
耳が彼女の頭から消えて尻尾も無くなる


『あ、れ?』

「…………。」


俺は急いで部屋から逃げる
唇の感触がまだ残ったまま。


***

ヒロトが腐ってる。





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