『私、雪嫌い』
切々と曇り空から小さな白達が降ってくる中、
彼女、彼女は呟いた
雪が嫌い。
それに何故だか僕が嫌いと言われているようで少し、ほんの少し、胸が痛い
『士郎って雪みたい』
ズキン、彼女が僕を嫌いと言ってるんだろうか僕は彼女が好きだ。いつも、彼女は僕を支えてくれて、居てほしいと願わなくても居てくれた。愛想は尽きたのと言いたいのだろうか。
彼女は降ってくる雪の中、掌を差し伸ばす。
ひらひらと掌に雪が落ちる、そして溶ける。
『雪はすぐ溶けて、居なくなるから嫌い…けれど』
「けれど?」
『集まるとすぐ打ち解けて積もるの、そして誰からも愛される……士郎みたいよね』
「…僕は、誰からも愛されてないよ」
『愛されてるよ』
「…何で分かるの?」
彼女はニコリと僕に微笑み、口を開いた
『あたしが士郎を愛してるから』
僕の冷えた体温が一気に温かくなった。
***
吹雪くんって雪の妖精でしょ。