薄暗い部屋…

「あ゛ぁッ…!」

「うっせぇよ。」

バンッ
彼と、私
薄暗い部屋の中で、彼は私の顔に傷をつけた。
彼はその行為に何の躊躇いも感じてなければ、腫れ上がった私の顔を見ても、罪悪感すら感じることはないだろう。
それ以前に彼は何よりの罪は、彼に気に入られてしまった私にあるのだというのだから。

そういう彼を横目に、私はただ、体に咲き誇っていく無数の薔薇に与えられる苦痛と、彼に行われているこの屈辱的な行為に耐えるだけ。

私はただこの空間から抜け出したいだけ、この監獄のような白と赤で彩られた部屋から。
白い布団には私のはじめてにより赤く染まった箇所、鞭打たれた体から内出血した痕。肉が避けて出てきた赤だけで包まれたこの部屋が、とても憎い、悪寒が走る。
何より今体に刻み込まれてゆくこの薔薇が一番憎たらしい。


「…そんなに見んなよ、ヤられたそうな目ぇすんな」

「っ…ざけん」
ガッ

「ッ」
再び私を殴った彼は、私に永遠が刻まれる数秒前にこう言った。

「あと少し我慢すりゃ終わるんだよ、そしたらてめぇは、」





「永遠に、オレの物になる」


もう少ししたら、彼は永遠に失う事になるだろう。









(肉に刻まれた彼のタトゥーが)(毎晩薔薇が身を焼くように)




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