私は雨が嫌いだ。
大嫌いだ。


「おい…仕方ないだろ、ここロンドンだぞ…」

「アーサーの家、雨ばかり降るから本当大嫌い」

じめじめするし、髪はなかなか整わないし、寒いし、なにより雨に濡れる事が嫌いだ。

「雨嫌いなの知ってて外に出掛けようって誘うアーサーも嫌い」

「なっ…あいてる時間がこの日しかなかったんだから文句言うなよ!!」

「しかも傘持ってこないとか…」

「小雨だから平気だろ、ばかぁ!!」

「なんて態度!むしろ謝られてもいいくらいなのに!」

これだから男は、まったく自分のことしか考えてない。
なにが英国紳士だ、レディファーストだ。紳士は女を雨の中に傘もささせないで放り込んだりしない。

呆れ返っていたがこんなところでじゃれていても仕方ないので、きっと落ち込んだであろう彼に視線をやった

「ほら、アー…」

言葉を言いかけると、ザーっという大きな雨音とともに雨脚は強まり、私の体は、彼のもとに引き寄せられた


パッと離すと、行くぞと言って手を引っ張られた。

「…どこに」

「俺の家だろーが!どう考えても!」

相変わらず素直じゃないなぁ。
ごめんなさいすら、言葉では伝えられないのか

「キザなことすんなー、眉毛」

「うっせぇ、ばかぁ!!」


後ろから見る、照れたあなたの横顔が好きで。






に溶け合う
(不器用で雨男な君が)(どうしようもなく愛しくて、)



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