※陽虎学園


「りょもーせんせー」
「ん?どうした?」
「質問、いいですか?」
 問題集を見せながら問いかけると呂蒙は笑顔で席を立った。
「で、どの問題なんだ?」
 職員室前の勉強スペースに座る呂蒙に、玲莉は問題集の解けない問題を指差して呂蒙の隣に座った。
「あぁこの問題か。難しいとは思っていたが、やはり解けなかったか」
「さっぱりです。2次関数のグラフに円が出てくるまでならまだしも、そこに三角形って…問題集破り捨ててしまおうかと思いました」
「まあ落ち着け」
 呂蒙が小さく笑う。問題を見ただけでこみあげてきた怒りを、その笑みだけで鎮火されてしまうのだから困ったものだ。
「図にあるこの数字はなんだ?」
「それは三角関数にイラついて目分量ではかったやつですね」
「目分量ではかるなといつも言っとるだろうが」
「あいた!」
呂蒙のチョップが頭にささる。じんじんする痛みに頭をおさえながらも、嬉しくてついにやついてしまう。言っておくがMではない。断じて。
「い、一応解いてみたんですよ?でも解いたら変な値が出てきて、それ代入したら答えがマイナスになったから…仕方なく」
「なにが仕方なくだ」
 今度はシャーペンで軽く叩かれた。叩くといってもそれはコツンとあてる程度で、それは先生の思考が問題にいっている証拠でもある。
「玲莉、この問題はまずここから考える。そうしたらお前が考えていたこの公式を使って求められる」
 シャーペンが、私がノートに書いていた公式をさす。呂蒙の言葉に玲莉は頷いて返した。説明を聞きつつも、玲莉は呂蒙のその大きな手に目がいっていた。ゴツゴツした男の人の手。そんな手で有名な子猫のキャラクターのシャーペンを持っているものだから、不似合いでそれが逆に可愛いと思ってしまう。
 いや元々先生は可愛いし、カッコいいし、非の打ち所がない人だけどね!
「…わかったか?」
「ごめん先生もう一回説明して。理解できない」
 ごめん先生、聞いてなかった。というか声にばかり集中しちゃって説明を聞いていなかった。
「…どこからだ?」
「こっちの公式が出てきたところから」
 私が分からないところがどこかを答えると、呂蒙先生は再び説明を始めた。

 質問する理由が、呂蒙先生を独り占めしたいからだってことを知ったら先生は怒るかな?



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