NARUTO | ナノ
「ヤダ!やめてよ!」
「あぁ?そんな言葉が通じると思ってんのか」
「思ってないよ!思ってないけど、イヤなもんはイヤなの!」
とにかく言動が可愛くないと大評判の私ですが、そんな私でもこんな輩に絡まれることぐらいはあるもんでして。まさに今大ピンチってなもんでして。
「私の彼、忍なんだからね!こんなことしたらあんた達ヤバイんだから!」
その言葉に、私を囲んだ数人の男の人たちがニヤニヤした顔を見合わせる。うー嫌いだ、その表情作る奴。なによ、なにが可笑しいっていうのよ!
「それは怖いが、一体その忍の彼氏とやらはどこにいるんだ?」
辺りを見渡して人っ子ひとりいないな〜って笑うそいつ。うー嫌いだ、その嘘くさい演技する奴。分かってますよ、今ここにシカマルはいませんよ!
「絶対助けに来てくれるもん!ああ見えて隊長とかしてんだから!」
そうだよ、シカマルは同世代じゃ誰より早く中忍とかなってんだから!大好きな彼女のためならたとえ火の中、水の中来てくれるもん!
好きとか一回も言われたことないけど、心の中じゃ思ってるはずだもん!
私がうざくて付き合ってるとか言ってたの嘘、だと思うもん!
絶対絶対来てくれるもん!
とにかく大声で叫んでいたら、この女不憫だなとか言われた。こいつらにそれ言われちゃお終いだ。しかし大声が功を奏したか、近くを通りかかったナルトが「なまえ何やってるんだってばよ」とか悠長に登場しやがった。
「ナルトーーー!この状況見たら分かるでしょ!早く助けて!」
「なまえが男の人に絡まれるとかあるん「バカナルト!あとで覚えとけ!」
「じょ、冗談だってばよ!でも、助けなくてもいいってば」
「はぁ!?あんたあんまふざけってっと今度サクラに色々とチクるわよ!」
「オレってば別に何もしてない…」
ああ、もうなんでこうなるんだってば早く助けろよシカマルーと青い眼が空を見上げた。は?シカマル?
「影真似の術、成功っと」
なんかよく知った声が頭上から降ってきた。と同時に私を囲んでいた数人の動きがピタリと止まる。自分の手で太陽を遮って顔をあげると、さっきから待ち焦がれて仕方なかった私の彼氏と目が合った。
「よっ」
軽い挨拶によっ、と返せるわけねぇ。おいお前いつから居たよ?
「シーカーマールー!どういうつもりよーー!」
「いいじゃねーか。結局助けたんだし」
「もっと早く助けなさいよーーー!」
あーうるせぇうるせぇ言ってシカマルは背を向ける。私の言葉に聞く耳持たず向かう先は自分が縛っている男たちのもと。
「はーめんどくせぇ。ってことでこいつはこんだけめんどくさい奴なんでアンタらには荷が重いっすよ。あいつ相手に出来んのオレだけだから」
「二度と関わんなよ」
なんて言葉が聞こえてくるもんだから、助けるの遅かったのチャラにしてやってもいいよとか思う私は単純そのもの。
ヒーローは遅れてやってきますから御安心ください
では私はシカのヒロインということで間違いないでしょうか?
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