NARUTO | ナノ


生きてるとよぉ、辛い事とかいっぱいあるだろ。それでもなんで人ってのは生きようとすんだろうなぁ、てオレはちょっと思うわけだ。答えは簡単でさ、そりゃ楽しいからだろ。やなことあっても、それ吹き飛ばすくらいの嬉しいことあるんだよ、ちゃんとさ。だから最後死ぬときとかに「あ〜、あの出来事は可笑しくて仕方なかった!最高だったなぁ!今思い出しても笑えそうだぜ」って言えるようなことがひとつでもあれば、人生まぁまぁだったんじゃねえの?ってオレは思うんだよ。


「キバは良い人生だったの?」


目の前にいるキバは、息も絶え絶えの様子で、喋ることももうままならない。いつか言っていたこの言葉は、いつの間にか私の信条にもなっていた。嫌なことあっても些細なことで笑えれば、とにかくなんだ、もう充分じゃんって。じゃあキバは、実際今死にそうで、いい人生だったのか。本当にそう言えるのか。


「バ、カじゃねーの?オレはなまえに、会えた時点でもう、世界で1番の幸せ者だ!っての」


私の後ろでザッザッという乾いた音が響く。校庭の砂利は人が歩くたびに四方八方に飛び散って、寝転がっているキバの口に入りそうだ。ダメだよ、


「チュ」
「!うわ、」
「うぇ、やっぱり砂ついてた」


ガイ先生ごめんね。授業中っていうのは分かってたけど、どうしてもキバが愛おしすぎちゃったんだ。



人の幸福を笑うんじゃありません

(持久走で死ぬとかあるわけねーだろ)
(5キロを全力疾走する人初めて見たんだもん)





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