NARUTO | ナノ
「うへへ」
なまえが笑った。が、彼女は寝ている。四六時中愉快な女だと思っていたが、まさか寝ている時もだったとは。
「それも食べたいっす!」
もうすでに何か食べた後のようだ。欲張りだ。試しに口に入れてみるのもいいかもしれない。きっとなまえは飲み込むだろう。
寝言に付け加えて、寝顔も可愛いとは言い難い。だけど頬をぷにぷにつまむ感触は最高だ。いくらしても起きない。永遠の遊び道具だ。
永遠とは言ったが早速飽きた。反応がないのはやはり虚しい。お茶でも淹れようかと腰をあげたとき、
「我愛羅」
呼ばれた。
「なんだ」
なまえを見ると目を閉じている。それはそうだ。さっきまで寝ていたんだ。今も寝ているんだ。寝言だ。さっきも寝言なら言っていた。
「我愛羅」
寝言に返事をしたらいかんとカンクロウが教えてくれた。なんでも魂を吸い取られるらしい。さっきはつい返してしまったが、今度は心を鬼にして無視をした。だけど夢にオレが出てきているのならそれは嬉しい。
「我愛羅、」
気持ちよく寝ていたなまえが顔を歪めた。苦しそうだ。もしかするとオレに助けを求めているのかもしれん。夢の中でか?それは分からん。
歯を食い縛りだしたので、手を握ってみた。やはり力が入っていた。それに安心したのか知らんが今度は泣きだした。少しぎょっとした。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
オレはなまえに謝れるような覚えは一切ない。しかし目の前で泣かれた。起きてる時に見たこともない涙。オレに見えないところで悩んでいたのかと思うとオレの方が謝りたくなった。
寝言の告白
どんなことでも受けとめてやる。
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