※SIDE:REDは見なかったことに←



「ふたつ名?」
「あぁ」

みさきが、名前で呼ばれるのは嫌だからふたつ名を作ったって、嬉々として報告に来た。

「…ちょっと待って。いずも、お皿拭いた」
「おおきに。そっち置いといてや」
「うん。…で?どんなの??」

私がきくとみさきはフッフッフッと笑って言った。

「ヤタガラスってどーよ!!」
「ヤタ…ガラス?カラスさん??」
「そっ、そうだけど違ぇよ!!ヤ・タ・ガ・ラ・ス!!分けんな」
「ヤタガラス…。八田ちゃんじゃダメなの??」
「う…」

みさきが詰まる。
そこまでよく考えてのことじゃなかったみたい。
それにしても…ヤタガラス??かっこいい…かな?そこそこ??

「ふたつ名ゆーたらめいにも通り名的なのあるで」
「え、マジっスか?!」
「なぁ、めい」
「なんか勝手につけられてた…らしい」
「どっどんな?!」
「…いずも」
「レッドマーキュリーや」
「レッドマーキュリー…?」
「爆弾の名前だろ」

さるひこがそう言いながら、カウンターの方に来る。

「せや。よう知っとんなぁ、伏見」
「…まぁ」
「なんで爆弾…」
「誰かが勝手につけたしわかんない」
「なんかねー、めいが怒ったとこを見たことある人がつけたらしいよー。赤のクランだしレッドマーキュリーがピッタリだーって」

ソファで寝てたたたらが言う。
…そうなんだ。

「それは俺も初耳やわ。…あ、めいおつかい頼まれてくれへん??」
「うん、いいよ」
「八田ちゃんと伏見も行き。ここらのことまだようわからんやろ?」
「うぃっス」
「…はい」
「これメモな」
「うん。じゃあ行こうか、カラスさんさるひこ」

私がそういうとみさきがずるッとコケた。

「カラスじゃねっつの!!」
「なんや桃太郎みたいやな。猿に鳥」
「じゃあキジさんじゃなきゃだね」
「…やっぱお前はみさきでいい。おらっ、さっさと行くぞ!!」

みさきはそういうとさるひこの腕引っ張って先に店を出てってしまった。

「え、ちょっと待って」
「気ぃつけぇや、めい」
「うん」
「いってらっしゃい、めい」
「いってきます、いずも、たたら」


みことは今日も、まだ起きてこないようです。


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