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「今日からお世話になります!!新しく入った櫻井まなみです!!よろしくお願いします」


私がペコリと頭を下げるとぱちぱちと小さな拍手が起こる。


「私、種島ぽぷら!!高校2年だよ!!櫻井ちゃんは何年生??」
「あ、高校3年生です!!」
「受験生か。この時期に入ってくるなんて珍しいな」


キッチンの金髪の人に指摘される。


「…私の家、貧乏で。お金稼がないと学費もヤバいんです」
「ふーん、苦労してんだな」
「まぁ、そういうことだ。よろしく頼む」


店長の…えーっと…白藤杏子さんが締めくくると集まってた人たちは蜘蛛の子を散らすように仕事に戻っていった。


「えーっと、あの、白藤店長」
「長い」
「え」
「店長でいい」
「あ、わかりました。では、店長」
「なんだ」
「私はどうすればよいのですか??」


すると店長は一時停止し、そのあとにぽんっと手をたたいた。


「お前の教育係決めるの忘れてた」
「え」
「ファミレスでバイトしてたことはあるんだよな??」
「はい、1年ほどですが…」
「ならわからないことは適当に誰かに聞け」
「…はぁ」


私がうなずくと、店長は興味がなさそうに休憩室から出て行った。
"八千代ー、パフェー"という声が聞こえてくる。


「…大丈夫なのかな、このお店」


これでまわっているのだから大丈夫なのだろう。








これが私のワグナリア初日。
出だしは好調とは言えないものだったと思う。

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