にゃーさんが匹
「改めまして、こんにちは。神谷浩史です」
「小野大輔です」
ヒロCこと神谷浩史とオノDこと小野大輔がDearなGirlのために色々な質問に答えていく番組、DGS。
今まで二人でやってきたこの番組に、今日からもう一人加わることになった。
「今週からなんと!!」
「なんと?!」
「もう一人!!」
「おおっ!!」
「パーソナリティーが増えます!!」
「おおーーー!!」
「てことで、キューちゃんどーぞ」
僕が振ると、星名くんは心底嫌そうな顔した。
「…どうも、星名九条ですが。ヒロCさんキューちゃんってなんスか」
「えぇ、いいじゃんキューちゃんってかわいくて」
「別にかわいさ求めてません」
「なっ・・・この番組に新たなツンデレが・・・」
「黙れオノD」
「だってさ、僕のヒロCやオノDみたいにできないんだもん。星名九条って。だから九条の九からキューちゃんかなー??って」
「あー、ゆーきゃんみたいなもんですねー」
「そうそう。ってことで、新メンバー星名九条くんでーす」
「あ、どうもよろしくお願いします」
「お疲れ様でーす」
「キューちゃんお疲れ様!!」
「喧嘩売ってんのか」
「うん♪」
「……」
収録が終わるなり、星名くんの双子の妹・ひかるちゃんが星名くんに飛び付いた。
「つか、暇だねお前」
「だってどうせ次の収録一緒だし??一緒に行こーよ」
「あぁ、一緒だっけ?」
「ひどーい!!」
「嘘、嘘だって。叩くなアホ」
顔と声がそっくりでも中身は全然違うんだと思ってたけど、なるほど、こうしてれば似てなくもないかも。
「じゃぁ、ひかるも煩いので次の収録行きます」
「あぁ、お疲れー」
「また後でね!!お疲れ様ー」
「ん、今日はあるんだ」
響、とひかるちゃんが少し声を小さくして言う。
「あぁ…ラジオの日は手紙が来るからな」
「そかそか。…じゃあ今日は私先に帰るね…」
心なしかシュンとした表情で言うひかるちゃんを見て、星名くんは困ったような顔で付け足した。
「ごはんは…食べるから」
「…うん!!」
じゃあご飯作って待ってる!とかなんとかいう会話をしながら二人はスタジオを出て行った。
「相変わらず仲いいですねー」
「あぁ…会話は思いっきりカレカノだよな」
「若いっていいっすね」
「オノDおっさん。今年で19だっけ???」
「たしかそうですよ」
まだ未成年かーと言うとオノDにヒロCこそおっさんと言われた。
「ひかるちゃんはたしか九条くんに引っ張られて声優になったんですよ」
「へぇ、意外だな」
「ですよね〜。九条君の方がこういうの消極的っぽいのに」
「そうだな」
不思議な双子と縁があったもんだ。
まぁ、先は長い。
「じっくり観察するとしますか」
「お、あ●ない刑事ですか?それとも家政婦は…」
「違うから」
小野くんとスタジオを出ながら今後の予定を確認する。
「あ、オレもう今日は収録ないっす」
「あぁボクもか」
「じゃあこのまま一緒に事務所行きますか」
「えーー……まぁ、行ってあげてもいいけどー」
「出た、ヒロCのツンデレー」
「うるさいな、オノDのくせに」
俺のくせにって意味わかりませんよ!!と喚くオノDをサラリとかわして先に進む。
今日も悩み多き乙女が待ってる。
さぁ、響の時間だ。
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