人間というのは寿命に抗えない生き物らしい。
私は今まで、何万という人間が死んだのを見てきた。
そして、私にもいつかは―――。

未來の唄

20××年。世界には家庭用人間型アンドロイドが普及していた。彼らは人間の世話をする為に生まれてきたアンドロイドだ。私はその中の一体である。
生まれた時から人間の世話をし、機能停止日が来るまでそれを続ける。
ただ、それだけのこと。
私の現在のマスターは病弱な男性だった。私は彼が生まれてからずっと彼を世話してきた。マスターは病弱である為か、ずっと家にこもりがちで、そのせいで肌が白く、今にも消えてしまいそうだ。
「聖奈」
マスターは有機ロボットである私のことをそう呼んだ。そして、時折寂しそうな顔をしてはこう言った。
「君は一度も笑ったりしたことがないね」
「その行為に意味があるのでしょうか?」
「心が暖かくなる」
私にはマスターの考えが理解出来なかった。そういう風にプログラムされていなかったからだ。


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