【羆→ヒグマ】
日本には北海道のみに生息する生態系の頂点に立つ哺乳類
■第一章
└熊と出会う前に
北海道といえば、どこにでも熊がいて国道を悠然と歩いてるイメージと思われがちだが、熊は山深い奥地に生息し、滅多なことでは人間の住む場所に現れることは無い。
そのような場所は本来人間が入ってはならない聖地であり、熊のテリトリーである。
時々ニュースで山に入った人が熊に襲われたと報道されることがあるが、北海道の熊による人身事故は平均して年間1件あるか無いかであり、北海道における殺人事件の件数より遥かに少ない数字である。
まず、熊の生息地に入るからには熊に会わないようにすることが前提であり、鳴り物、要は鈴や笛などの音を出す物を携帯することが最重要とされる。
恥ずかしくないのなら、奇声を発したり、志村けんの『だいじょぶだぁ』や『あい〜ん』を連発するのも有効な手段であろう。
ラジオや音楽プレーヤーなども有効と思われがちだが、常時音を出している物は、周囲の異変に気づくことが遅れる可能性があることだけは忠告しておこう。
■第二章
└熊と出会う要因
熊のテリトリーに侵入した場合、多くの個体は人間より先に相手の存在を察知し退散することがほとんどだ。
襲われた例のほとんどが、子連れの母熊や精神的に未熟な若い個体である。
生態系の頂点に立つ熊とは言え、比較的温厚的な動物であり、自分以外の相手に攻撃を加えるには熊にとってもリスクを伴う為、積極的に人を襲うことはなく、ましてや何百メートルも遠くから追いかけて襲うことはまずありえない。
出会い頭や、冬眠中の巣穴に近寄ったり覗き込んだりしたことでの原因がほとんどである。
よって、不用意に熊に近づかなければ襲われることは滅多に無いと思って正解であり、金持ちの家の庭に放されているドーベルマンや、住宅街で集まり噂話ばかりしている主婦の方が遥かに危険生物だと言えよう。
また、年齢を重ねた雄熊は滅多なことでは人間の前に現れることは無く、例えるならば、サクラばかりの悪質出会い系サイトで一般女性と出会えるくらい稀なことであろうか。
■第三章
└熊と出会ってしまったら
熊に出会う確率は私が万馬券を当てるくらい稀なことであり、ましてや、襲われる可能性が高い距離(30メートル以内)まで近づかれることは3連単を当てるくらいの確率に等しいであろう。
肉眼で微かに見えているような遠い距離であれば、持っている鈴や笛を鳴らせば大概熊の方から退散してくれる。
もし30メートル以内の至近距離で出会ってしまったら、目を合わせ、始めは静かにぶつぶつと話し掛けながら後ずさりする。
それでも近づいてくるようなら大声で『トゥース!』や『へっ!』と叫んでみよう。
『春日のココ、空いてますよ』は逆効果になる恐れもあるが、何なら小泉今日子の『何てったってアイドル』を熱唱しても良いだろう。
しかし、森の熊さんを歌うのはナンセンスとされる。
その際、絶対に熊に背中を見せてはならない。
私が過去に交際していた女性もそうであったが、熊には逃げるものを追いかける習性がある。
若干話しが脱線しかけたが、大声で叫びながらも後ずさりは忘れずに安全な距離までゆっくりと離れる。
それでも近づいてくる場合は、覚悟を決め戦う以外に命を守る方法は無い。
死んだフリや陰部を出すと良いと聞いたことがあるだろうが、それはアイヌ民族の迷信に過ぎず、そのポークビッツの如く縮こまった諸君小さなチンコを出したところで、笑いは取れるかもしれないが、命を取られることは致し方ないことであろう。
ましてや、はんにゃと呼ばれるつまらない芸人が考案した次期オリンピック競技の候補とされる『ズクダンズンブングンゲーム』など全く持って役に立たない。
熊撃退スプレーも推奨されているが、今まで熊に襲われて助かった事例の中に、熊撃退スプレーで助かった例は一例も無い。
なぜなら、もし目の前に突然ゴキブリが現れた諸君は、すぐさまその忌ま忌ましきゴキブリに対し、私のように早漏の如く瞬間的にゴキジェットを発射させることができるだろうか?
また、スプレーの成分は主に唐辛子などの刺激物であり、もしその熊がペペロンチーノが好きな熊であったらどうしたものか。
襲ってきた熊が右利きか左利きかと考える余裕があるほど冷静な人間には可能かもしれないが、そんなことを考える間もなくマイクタイソンの247倍ものパワーで右フックが飛んでくるであろう。
また、熊が最も活動的になる時間帯は早朝や夕方とされる。
できればその時間には入山せず、日が高くなった11時39分くらいにしてもらいたいと切に願う。
■第四章
└熊と戦う為に
前章でも少し触れたが、熊が人を襲う要因はいくつかあり、
■母熊が子供を守る行動
■若熊が人間を遊び道具と認識
■出会い頭の不必要な接近
■人間を食物と認識、又はそれを奪う目的
母熊が子供を守る行動はよく知られているが、襲われた事例の中で圧倒的に多いのが、2〜3歳の親離れして間もない若熊による被害である。
また、山菜採りや林業など山の中での作業の間に食べていた弁当を奪う為に襲ったという事例もある。
死亡事故の中には、熊に食べられた事例もあり、数百メートルも引きずられ熊にとって安全な場所とされる所に埋められていた事例もある。
その際、被害者の衣服は破れ全裸状態で腹部や脚部の肉を食われていたとの報告もある。
山に入るには、万が一の事態に備え、鉈などの武器を携行することが重要であるのは確かだが、このご時世だから急にパンダ(中国熊)模様の車に襲われ持ち物検査をされることもあるだろう。
護身用とは言え中々持ち歩きにくいものである。
しつこいようだが、ポークビッツの如くその縮こまった諸君の男刀を振りかざしたところで、心許ないだけではなく、それどころか全く意味の無いことだけは認識してもらいたい。
鉈を携行していない場合、素手はもちろん、石や木片を拾って投げつけたりと、その辺にあるものは全て使って身を守る必要がある。
熊は木登りが得意とされるが、木登りができるのはせいぜい若熊までで、成熟した個体は木登りはできないと推測される。
よって、高い木に登り、それでも追いかけてくるようなら足や手を使って熊のどこにでも良いから攻撃を加えるのも有効な手段であろう。
よく鼻先が急所と言われるが、熊にも全身に痛覚があり、熊だって叩かれれば痛いのは痛いハズである。
持っていたスコップで撃退した例もあれば、口の中に手を突っ込んで撃退した例もある。
私のように笑いのセンスに長けている人間ならば、熊が腹を抱えて笑っている内に生還することも可能かもしれないが、これを読んでいる諸君に、私のような笑いに対し一流のセンスが無いことを前提にこれを書いている。
■第五章
└まとめ
山には金儲けの元がたくさんあり、危険を冒してまで出入りする人間が多い。
本来、熊のテリトリーである山には、人間が入ってはいけない聖地であり、熊はそこで静かに暮らしているのである。
私自身、熊には三度ほど出会っているが、襲われたことは一度たりとも無い。
熊が安全に暮らせる山が減ったり、己の快楽の為不用意に入山する人間も多い。
山菜採りや登山、オオクワガタ採取や松茸、トリュフ、中には蜂の巣まで採ろうとする輩もいる。
命の危険を冒してまでそんなに金儲けがしたいなら、ネットビジネスでもすれば良いだろう。
ひっそりと静かに暮らす山親父。
もし諸君の前にその熊が現れ通報したものならば、その熊はハンターに追われ銃殺される運命にある。
熊には何の責任も無いのである。
そのことだけは忘れてはいけない。
-終わり-
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