社会人×社会人





「ん、っふ」

最悪だ。
やっぱり断るべきだった。

「俊樹…や、外せ」

後ろ手に縛られて目隠しをされた状態で身体中を弄り回されるなんて、たまったもんじゃない。
強請るようにワザと猫撫で声を出しても、俊樹は小さく笑うだけで俺を解放しようとはせずに、俺の性器を扱いてきた。

「ん、ん、」

されるがままなんて悔しくて涙が出てくるけど、それすらも目を縛っている布に吸収されていく。

「アキ、いつもより感じてる?」
「や、もう…ン」

楽しそうにクスクスと笑う俊樹は、モノを扱いている手とは逆の手で胸の飾りを抓ってきた。
いきなりの刺激に、彰宏の身体が撓う。

「っひ!痛、やだ」
「…………」
「ん、っア、俊樹?っふ、ぅ」

視界を覆われているせいで音に頼るしかないのに、俊樹が声を出してくれないんじゃ、本当に今目の前にいるのが俊樹なのか不安でたまらない。

「俊樹?おい、俊樹!」
「ここにいるよ」

その言葉と同時に頬をベロリと舐められた。
俺が安堵の息を洩らすと、その力を抜いた一瞬の隙を逃さない俊樹は間髪入れずに突っ込んできた。

「っあ!ん、や、いきなり…あ、ンン」
「ん、アキ可愛い」
「やめっ、あ、あ、…ふぁ」

緩く抽挿を繰り返す俊樹を恨めしく思いながらも、ピンポイントで感じる処を責められてはマトモな言葉を発することすら出来ない。

恥ずかしげもなく広げている足を指でゆっくりなぞってふくらはぎにキスをされた。
そのまま俺の太股を撫で回しながら足にキスを繰り返す。

「や、俊樹…何して、っひあ!」

今まで緩やかに刺激を与えられていた筈なのに、急に激しいピストンへと変化した。

「あん、や、音やだっ」

下半身から聞こえてくる水音と、肉がぶつかる音が身体だけではなく耳をも犯す。

「っふ、…アキ」
「…ひぐ、ん、あぁ!」

俊樹の荒い息遣いが耳元で聞こえて背筋がゾクゾクする。
優しい手つきで髪の毛を梳かれた俺は、軽く自分の唇を突き出した。

「ん、俊樹ぃ…ちゅー」

一度唇を舐められて、それから舌を絡めて濃厚なキスをしてくれる。
口の端から涎が垂れるのも気にせずにお互いの唇を貪った。

「や、俊樹…イっちゃ、んんっ」

我慢したのも虚しく、呆気なく射精してしまった。俺よりワンテンポ遅れて、俊樹も俺の中で欲望を弾けさせる。

「も、抜け…ん」
「眩しい?」

急に目隠しを外されて、あまりの明るさに目が眩む。
目を細めて明るさに慣れさせると、段々と視界がクリアになって柔らかい笑みを浮かべている俊樹の顔が目に付いた。

「つか、電気点いてっ」
「うん。アキ可愛かったよ」
「お前ホント最低」

行為の最中、ずっと電気が点いていたのかと思うとゾッとする。

「あ、早く手も外して」

後ろで縛られている手も解いて貰おうと、モゾモゾと動く。
しかし、俊樹は一向に解く気配がない。

「次はこっちも縛ろうか」
「はぁん!」
「相変わらず感じ易い」
「ば、馬鹿!変態!」

言わずもがな。次に俊樹が縛ろうと企んでいるのは、俺の息子さんらしく、指で軽く弾いてきやがった。

手まで縛るのは抵抗しておけば良かった、と、今更後悔しつつ、結局就寝するのは明日の朝になるのだった。



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