親父×高校生





肌寒くなって目が覚めた。
近くにあった携帯を手に取って時間を確認する。

「まだ2時じゃん…」

携帯を適当に放り投げて、エアコンの風から逃げるように布団に潜る。

「あ」

布団に潜ると、目の前に悠一さんの広い背中があった。
昨日エッチしてそのまま寝ちゃったから、裸のまんまだ。

恋人と同じ布団に寝てんのに背中向けてんなよ。
腕枕するなり抱き締めるなりあるんじゃないのか、普通。

「甲斐性ないなぁ」

布団に潜りながら一人でクスクスと笑う。

悠一さんの広い背中を見ていたら、肩甲骨の辺りに引っ掻いたような痕を見付けた。
その引っ掻き傷を付けたのが自分だと思うと、なんとなく嬉しくなる。
まだ痛々しく残る傷を指で優しくなぞった。

「…ん」

触られたのがくすぐったかったのか、モゾモゾと動く。
それでも俺は背中を触り続けた。

触るだけじゃ物足りなくなってきて、背中に軽くキスをする。
そのままキツク吸い付いて、俺の物だ、っていう印を残す。
広い背中にキスマークがあるのはなんだかいやらしい。

悠一さんの背中に舌を這わせた。

「それ以上されたら我慢効かなくなるだろ」
「え?」

いきなりクルリと振り向いた悠一さんに、俺は戸惑いを隠せない。
一人焦っていると、唇に軽くキスされた。

「いつから起きてたんだよ」
「最初から」

満面の笑みを浮かべているおっさんが憎たらしい。
布団の中で悠一さんの足を蹴った。

「痛っ」
「腕枕とか抱き締めるとかしとけよ」
「真樹くんは甘えんぼうだな〜」

嫌味を言っても、このおっさんには効かないらしい。
全部自分に都合の良いように捉えやがった。
楽しそうに笑っている悠一さんが、俺の前髪を一束摘んでその髪にチュッとキスする。

「天然タラシめ…」
「ん?」
「なんでもない!」

その行動をかっこいいなんて感じてしまったのが悔しい。
赤くなってしまったであろう顔を隠す為に悠一さんの首筋に顔を埋めて広い背中に手を回した。



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