01





「あー…うー」

晴紀のベッドに寝っ転がりながら唸る。
そして、雨が降ってる外をジィっと見た。

「あーあーあー…」
「伊武騎、うるさい」

あ、晴紀に怒られた。
怒ってるってより、寧ろ、呆れてるかな?

「だって、晴紀がかまってくんないんだもん。それに、湿気がウザくてさー」

言ったら、晴紀が座ってたイスから立ち上がって近付いて来た。そして俯せに寝っ転がってる俺の横に座る。

「だから髪…」

ちょんちょん、と、結んでる髪の束を軽ーく引っ張られた。
チラッと晴紀の方を見てから枕に顔を埋める。

「んー…」
「そんなにジメジメする?」
「するー…晴紀ぃ、勉強やめろよー」
「もうすぐテストだし」
「…………けち」

そう文句を言ったら、ベッドのスプリングがギシっと鳴る。その音と、ベッドが弾んだので晴紀が立ち上がったのが分かった。

ピッ…ピピッ…

「何してんの?」

気になって顔を上げたら、晴紀がリモコンを持ってエアコンをつけてくれてた。
リモコンを机に置くと、俯せになってる俺の上にのしかかってきた。

「はるっ、んァ」
「しょっぱい」
「ばっ、か…やめ、んぅ」

晴紀がペロペロと項を舐めてくる。髪を結わえてるから、舐めやすいんだろう。

しつこく…ねちっこく舐めやがって。



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