>> 10.かくしごと

「なーんかおかしいさ。」
昼休みの教室にて。
ラビは私の顔をずいっと覗き込んだ。


「おかしいのはアンタの眼帯だろ。」

「ひかり機嫌悪っ!絶対なんかあっただろ!」

「・・・別に。」

「どうせあのモヤシみたいな野郎と何かあったんだろ?」

「うるさいバ神田ァァァ!!」

「げっ!落ち着くさひかり〜!!」



あの日から彼の名前を聞くと無性にイライラする。



―――――――



「んで、それからアレンと全く話してないと。」

「・・・・・。」

「なんか思い当たることないんさ〜?」

「いや、どう考えても君らがバイト先に来たからだからね!どっかのバカ兎が地雷踏んだからだからね!」

「まあまあ、落ち着けひかり。あれは本当に悪かったって。」


紙パックに入った野菜ジュースがストローから噴水のように飛び出る。あらキレイ。


「そんな怒んなって!野菜ジュースは噴水になるために製造されたわけではないさ!」

「・・・・・。」

「っていうか、あの後普通に話したんだろ?」

「ちょっとだけね。」

「そんなことで普通そこまで怒るか〜?」

「休憩室にも来なかったし。その後のバイトでも一言も話さなかったもん。」


いつも嫌そうな顔しながらも一緒に休憩入ってくれるのに。バイト中も意地悪ながらも助けてくれるのに。そんな毎日に慣れてしまったら、この変化を見過ごすことなんてできない。


「バイト行きたくないよ〜。」


机に突っ伏して足をバタバタさせる。あれ?なんかデジャヴ。

なにさなにさ。
ラビは地雷踏みっぱなしでおっぱいバレーだし。神田は最初から空気でおっぱいバレーだし。


「俺はそんなもん興味ねえ。」

「なに、読心術?怖いんですけど。」

「チッ うぜえ。」

「なによ?」


ちくしょうバ神田。売られた喧嘩は買うぞコノヤロー。


「ストップストップ!ひかり、とりあえず座ろう。な?」

「・・・・・。」

「ていうか、あの後ユウの奴いきなりいなくなったんさ。DVDのことなんてすっかり忘れてた。」

「どうせ勝手に帰ったんでしょ?」

「いや、それがさあ・・・。」


ガタンッ


音をたてて立ち上がった神田。そのまま教室を出ようとするので反射的に袖を掴んで彼を見上げた。


「どこ行くの?」

「どこでもいいだろ。」

「別にいいけどさ、神田がどこ行っても。でも神田、何か隠してるよね?」

「隠してねえよ。」

「嘘だね!」


幼なじみの勘。というか神田は昔から都合が悪くなるとどこかへ行ってしまう。伊達に幼なじみやってないんだぞ、こっちは。


「なあ、ユウどこにいたんさ〜?」

「・・・・・。」

「神田ぁ?」

「・・・・・チッ」


神田の腕はくの字に曲げられて私の手から離れた。そしてため息をついて席にドカッと座った。


私に隠し事なんて百年早いよ神田くん。ちょこっと優越感。チラリと神田を横目で見ると、バチッと目が合う。神田が舌打ちをして目をそらしたので、また少し優越感。



さあ、吐け!
幼なじみなめんな!



―――――――

お久しぶりです。

駄文ごめんなさい!
ない頭振り絞って
全力で書いております。

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