>> 02.愉快な仲間たち 「ぶっ!まじで見たかったさ、そん時のひかりの顔〜。」 「ちょ、ラビ笑いすぎだよ!真剣なのに!」 今、私の前で笑っている男の子はラビ。昨日のバイトの話を自分なりに真剣に話したらご覧の通り、大爆笑である。なんて失礼なやつなんだ。私がこんなに悩んでいる間にも爆笑してひいひい言っている。もう・・・。 「あ〜、ごめんさ。でも耳噛まれたってお前、ぶっ」 また爆笑し始める。ああ、もうコイツを誰か3枚におろしてくれ。 「もう、バイト行きたくないよ〜。」 私は机に頭を突っ伏して足をバタバタさせる。 「どこの高校なんさ?」 「・・・N高校。」 「うっわ頭いいとこだ。名前は?俺友達いるから聞いてみようか?」 「え、いい。名前も言いたくない。思い出しちゃうもん。」 私は机に突っ伏したままラビの質問に答える。ラビはあらま〜と言って携帯電話をしまった。 「どうでもいいが、何故ここに集まる。」 「へ、何が?神田。」 私は顔を上げた。 「ここは俺の机だ!話すなら他行きやがれ!」 「いいじゃ〜ん☆神田もうちのこと心配でしょ?」 「ハッ」 「笑うとこじゃないよ」 神田はチッと舌打ちしてそっぽを向いてしまった。これでも神田とは一応幼なじみなんだけどな。 「昔体操服忘れてわんわん泣いてた神田がすごくなつかし「黙れちんちくりん。」 「ちんちくりん!?」 女の子に何てこと言うんだ!と席を立って神田を思い切り睨みつけてやった。そして神田はまたハッと言ってそっぽを向く。だーから笑うとこじゃないってば!! 「まあまあ、ひかり。まだバイトは始まったばっかなんだしな、頑張って来いって、な?」 ラビは私を席に座らせて頭を撫でた。ラビは高校からいっしょになった友達だけと、私のよき理解者だった。もうちょっと頑張ってみようかな。 「今日、バイトは?」 「・・・ある。」 「頑張れよ、接客は笑顔で勝負だかんな。ひかり。」 「ん、ありがとラビ。」 あと半日したらバイトが始まる。嫌だ。 だってまだ耳が熱いんだもん。私は噛まれた左耳を抑える。 9:1の割合 本当に会いたくない? prev//next back |