――母親に見捨てられた子供らは、かつて母親にした仕打ちをそっくりそのまま受けているだけに過ぎないのだ。 全ての物は海から生まれたというのならば、海に帰らなければならないときが来たのだろう――
『おごれる魚』、医師の独白


 壊れかけたいつかの未来。
 廃退する美しい地獄、不気味で、いびつで、救いようのない彼らと彼女たちの記。


・『月面』
 彼女はいつも天にいて、わたしたちを監視しています。
 わたしたちが空を逐われたのは彼女がそれを許さないから。

・『学校』
 夜の娘たちのいるところ。生徒会が統治する。

・『潮毒』は人体に悪影響を及ぼします。
 侵食が進むと人間ではなくなる、と彼らは言いました。
 それでも今日も異形の子は生まれます。

・水は人間の住む土地を削る。
 極は海となり方位は失われた。

・『コロニー』
 ドームで覆われた都市の形。
 彼らはいつでもきれいな水を欲している。

・『フィトンチッド』
 あの島にはもう人間の住む所はない。
 水を体に溜めた人間は素敵な木になることができます。




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