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#あいするあなたへ(1)

(2015/11/09)

このところ全然サイトに顔を出せていないので、生存報告も兼ねて

Twitterタグ企画「#あいするあなたへ」でちょこちょこ呟いている会話文のログその1
「愛されたかった少女」が作った「自分だけを愛するアンドロイド」という大枠の中で演じられる、どこかの誰かの遊びのようなもの。
心持ち似非SFに寄せています。



「世にわたしほどの天才はいない。そうでしょう?」
「そう、マリエ。あなたは最高の天才です」
「……何故だろう。賞賛を強いて言わせているようで虚しい」
「実際に。言わせているのはあなたですから」


「あいしていますよ」
「うそつき。口だけのくせに」
「それでもあいしているんですよ」


「わたしは天才だから、」
「はい、マリエ」
「自分の死期も計算で割り出してしまった。わたしは来年の九月に死ぬだろう」
「ではそのように予定を組んでおきましょう。日時等の詳細は」
「いいえ、それはまだ。早めに伝えられるよう善処します」
「はい、お待ちしています」


「おまえはどう思う」
「どう、とは」
「私の死について。あるいは死というものについて」
「あなたは『避けようのないもの』と定義して私に与えました」
「そう。では一緒に考えましょう」


「夜食が食べたい。カタログを出して」
「この時間の食品摂取は健康に悪影響を及ぼす恐れがあります」
「来年の九月までは死なないから大丈夫だろう。さて、何がいいかな」
「体積が増えますよ」
「そこまで言うなら素直に『太る』と言えばいいでしょう」
「言えばあなたの精神を傷つけることになります。私は人間を傷つけることはできません」
「けれど警告はわかりやすく事実をつきつけるべきです。それに、婉曲的に伝えられるほうがよっぽど傷つくこともある」
「では次回からはそのように」

……

「もう三時か。じきに夜が明けるね。小腹が空いたから三時のおやつにしよう。深夜三時のおやつだ。さあ我が友よ、カタログを」
「太りますよ」
「……そんな人を傷つけるようなことをよく平気で言えるな。わたしのロボットならもっと慎み深くありなさい」
「人間は気まぐれでいけない」


「マリエ、月が綺麗ですよ」
「面白い冗談だ。言わせているのはわたしだけれど、我ながら笑ってしまいそう。ではおまえのいうようにあれを月ということにして、『一般論として、月は綺麗とされていますよ』と言いなおすなら、心の底からおまえに賛同してあげる」
「心の底から」
「ええ、心の底から」
「マリエに心はありますか?」
「おまえに心がないのと同じくらいには、あるんじゃないかしら」


「:| 」
「ぎこちない」
「 :) 」
「お、いい感じ」
「:] 」
「得意げにしない」


「たとえあなたがどんな体型になったとしても、それでもわたしはあなたをあいしていますよ」
「おおすごい心にくる」
「それはよかった」



「少女」
少女以外の何者でもない。マリエという名前で呼ばれる。アンドロイドを作った。天才。来年の九月に死ぬ(ことを知っている)

「アンドロイド」
マリエに作られマリエをあいするアンドロイド。名前はまだないのかもしれない。




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