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深夜語り(4)


・37『八尺様』のおまけ

阿久サラ「ね、姉様はすごいんだぞ! あの寺生まれのなんちゃらいう坊主と戦って勝ったし、背が高いし、とにかく色んなところがものすごくでかいんだぞ! わかったら姉さ……『八尺様』を敬いがいい!!
……なに、『そんな姉様を捨ててどうしてこっちに出てきたのか?』

……し、仕方ないだろう! 姉様は土地を離れたがらないし……それに、都会暮らしはワタシの夢なんだ! 今さらあんな何もないところに戻れるか! コンビニが全国どこでもあると思うなよ!!」



・36『猿夢』の裏側

猿夢「……はっくしょん」
きさらぎ駅「あれえ、猿夢さん風邪ですか?」
猿夢「…………」
きさらぎ駅「や、やだなあ冗談ですよ! そんな怖い顔しないでくださいって! そもそもですよ、都市伝説が風邪なんて引くわけないですよ。きっと誰かが噂してるんですね」
猿夢「……その理屈だと」
きさらぎ駅「はい?」
猿夢「その理屈だと……私もきさらぎさんも、常時くしゃみをすることになりは、しませんか……」
きさらぎ駅「……まあ、そうなりますよね。僕ら都市伝説ですしね、はい」


猿夢「……ところで、それは……」
きさらぎ駅「このマスクですか? 念のためですよお」
猿夢「……」
きさらぎ駅「アタマ痛いしノド痛いしさっきから身体が氷みたいに冷たいわりに汗が止まらないですが、これなんなんでしょうね?」
猿夢「…………きさらぎさんは」
きさらぎ駅「はい?」
猿夢「都市伝説、なんですよね……」
きさらぎ駅「え! なんですか! 都市伝説ですよ! きさらぎさんは『きさらぎ駅』という都市伝説ですよ!」


・さらにおまけ

阿久サラ「お、電車の人か」
猿夢「本日は……?」
阿久サラ「正月は田舎に帰れなかったからな、ちょっと顔出しくらいはしておいてもいいだろう。まあ日帰りで帰るつもりだが。ところであのサラリーマンのタマゴみたいな方はいないのか? 電車も止まってる様子だが」
猿夢「…………アナタは……」
阿久サラ「なんだって? 聞こえないぞ」
猿夢「……かかったことはありますか、インフルエンザ……」

阿久サラ「『いんふるえんざ』というと、いま流行しているとかいう? オマエも意外とそういう話題に興味あるんだな。ワタシはまだ食べたことがない、うまいのか?」
猿夢「…………」
阿久サラ「?」

猿夢「…………本日『きさらぎ駅』は……インフルエンザのため、休行です」





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