文章3 | ナノ
雪を見てはしゃぐ
「うっわ!エース見て見て!雪だよ!雪!」
「おおおお!すげェ!雪だ!」
「すごいね!やばいよこれ!かまくら作れるよ!」
「かまくら?なんだそれ」
「え…かまくら知らないの?」
「俺が生まれた所は雪なんて降らねえし」
「私は冬島生まれで育ちだからね!」
「そのくせには雪見てはしゃいでたよな」
「久しぶりに雪見たからテンション上がっちゃって」
「で、かまくらってなんだよ」
「よし!エースくん、私のことは先生と呼びたまえ!」
「やだね、お前が先生とかよくないこと教えられそうだ」
「教えねーよ!なんだその偏見!かまくら教えるだけじゃん!」
「で、かまくらって?」
「もー…エースってめんどくさいなあ…」
「まあ1番めんどくせーのははなこだけどな!」(ぐっ)
「うわ、ちょーいい笑顔!親指立ててんじゃねーよ」
「ってサッチが」
「よし、サッチは後で海に突き落とす」
「で、かまくら」
「分かってるってば!」
〜1時間後〜
「これがかまくらか!」
「そうだよ!それで中に入ってご飯食べたりするの!」
「この中で飯…?寒くねえのか?」
「………さあ?実際にやったことないし」
「…………」
「………うん」
「やったことねえのかよ!」
「仕方ないじゃん!ぶっちゃけ私インドア派だったんだから!」
「じゃああたかも自分がやったように言ってんじゃねえよ!」
「近所の子どもたちが一生懸命作ってるのをコタツに入って窓から見てたの」
「なんだよお前。冬島生まれ失格だな」
「なんだよ失格って、人間失格みたいな」
「みたいな、じゃなくて、そうなんだろ実際」
「ふざけんな、人間だから私」
「雪に謝れ、人外生物」
「お前が私に謝れ」
「あんだけ偉そうに言ってたくせに」
「せっかく私がこうやって教えてあげたのに……感謝しろよ」
「なんで感謝しなくちゃいけねえんだ。お前が勝手に教えてきたんだろ」
「あんたがしつこいからだよ!ばか!」
「鼻水出てるぞ」
「……一言言ってもいい?」
「………ああ」
「……私寒いの苦手なの」
(冬島生まれで育ちだけど寒いのは大の苦手)
アンケートより
サッチはもちろん寒中水泳をしました