ごみ箱 | ナノ
エース


「一週間前にもらったラブレターを忘れてた?」

「忘れてたんじゃねえよ、持って帰んの忘れてたんだよ」

「いやいや一緒だからそれ」

「一緒じゃねえよ、つか持って帰ったらルフィとかジジイが読んじまうだろ」

「リビングに置く前提で持って帰ろうとするな」

「仕方ねえだろ。リビングじゃなかったら無くすぞ俺は、」

「それ胸張って言うことじゃないし…」

「カビとか生えてたら困るな…」

「生えないから。ラブレターを食べ物と勘違いしてない?」

「してねえよ。俺はヤギじゃねえ」

「馬鹿とは話してらんないよ」

「俺お前よりも体育できるぞ」

「うん、そういう所が馬鹿って言うんだよ」

「………」

「睨む暇があったらそれどうするか考えたら?」

「…どうすればいいんだ?」

「とりあえずその子に土下座すればいいと思うよ」

「土下座かー…てか今時ラブレターって古くね…ぐはっ!」

「その子に謝れ!」

「い、今っ…鳩尾に入っ…」

「ラブレターだってね、渡すのに勇気がいるんだからね!」

「んだよ、お前出したことでもあるのかよ?」

「………」

「ま、お前が出したことあるわけね「あるよ」



…は?」

「出したこと、ある」

「…………い」

「だからそういうのしたら可哀想だと…」

「………ない」

「なに?」

「俺もらってねえぞ!!」



「………は?」

「だーかーら!もらってねえって!」

「いやいやいや、なんでエースに私がラブレター渡さなくちゃいけないのよ」

「誰に出したんだよ!」

「はあ?」

「誰に、」

「エースに関係ないじゃん」

「…とりあえず男子全員に聞きゃあ分かることだな」

「あのねえ…」

「はなこ」

「あ、マルコ先輩」

「ああん?マルコォ?」

「……なんだよい、怒ってんのかエースは」

「怒ってねえよ!あっち行け!」

「お前に用なんかないよい」

「じゃあどっか行きやがれ!」

「じゃあはなこ、あっちで話があるんだが…」

「あ、はい」

「?」

「手紙の件について…」

「!」



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