ごみ箱 | ナノ
アレルヤ


「見てアレルヤ。空がきれいだよ」

そう言って彼女は空を眩しそうに見上げた。
そんな彼女を僕は目を細めて見た。

ああ、なんて彼女はきれいなんだろう。
人を殺めたことなんてない彼女の手はとてもきれいだ。
僕なんかが触れちゃいけない存在だ。

ねえハレルヤ、わかるでしょ?
はなこはきれいなままじゃないといけないんだよ。

彼女を泣かせる奴を、彼女を傷つける奴を君は許せるかい?僕は無理だね。
はなこは他人を憎まない、恨まない。
はなこができないことを…否、はなこにはやらせない、僕ははなこに汚いことをさせない。僕だけでいいんだ。
僕がはなこの盾となり剣となるんだ。

「空はこんなにもきれいなのに」

人の心はどうしてこんなにも汚れているのだろう。
欲でまみれて、汚くて、自分たちが汚いことに気づかない。

どうしてみんな彼女のようにならないのだろう。
きれいなきれいな彼女のように、


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