文章2 | ナノ
マルコ
▼背水の陣
「泳ぎたいなあ…」
「泳げねえだろ」
「気合いでなんとかならないかな…」
「気合いでなんとかなるもんじゃねえよい」
「これだからバナナはいつまで経ってもバナナなんだよ」
「誰がバナナだって?」
「ああ、ごめんごめん。パイナップルだったね」
「落とすぞはなこ」
「ぎゃあああ!!おっ、落とされるううう!!」
「暑いから間違って落とすかもしれねえなあ…」
「ちょ、まっ、待って!誰が海に落ちた私を回収しに行くと思ってんの!?サッチだよ!?」
「サッチか……あ、今くらっときたよい」
「え、サッチじゃ駄目なの?えーあーあああ落とさないでええ!!い、イゾウ!そう!イゾウが大変だよ!イゾウが!!」
「イゾウが海に落ちたお前を引き上げると思ってんのかよい」
「……あ、目反らされた」
「今日は本当暑いよい」
「はははハルタあああ!!あ、え?ちょ、なな親指立ててんの!?しかもすごい笑顔!」
「そろそろ腕が疲れてきたよい…」
「もう!?弱っ」
「お前が重たいんだよい」
「最近夏バテで体重減ってきてたのに…」
「リバウンドしたんだろい」
「ひどい!乙女にむかってそんなこと言うなんて!」
「乙女?どこに乙女がいるんだよい」
「目の前!よく見て!あ、ジョズがめっちゃ心配そうにこっち見てる」
「ジョズはお前を助けれねえよい」
「それはもうマルコが私を落としたらの話じゃん」
(あ、落としちまった)
(はなこっっ!!!)
(じょずううううう!!)
夏の忘れ物
プール行きたかったなあ…