文章2 | ナノ
首無
▼好きな子ほど苛めたいのは王道です


「携帯でさ」

「はい?」

「携帯で¨くびなし¨って打ったら¨首無し¨って出てくるんだよね」

「はあ…?」

「¨し¨っていらないのにね…」

「はなこさま…」

「んー」

「暇なんですね」

「………うん」


だってさ、つららとおしゃべりしようと思ったのにリクオと清十字団とか言う部活(?)に行っちゃうし、牛頭馬頭と遊ぼうとしたのに2人は里帰りしちゃってるし、黒羽丸たちは遊んでくれないし、河童とは遊べないし(このくそ寒い時期に水ん中入れるか!)……。
暇すぎてどうにかなりそうな私はとりあえず暇そうな首無の部屋に上がり込んだ。


「どうせ首無も暇なんでしょ」

「いえ、私にはまだ仕事が残っていますので」


いやいや、お前暇を持て余してる顔してるよ!
どうせアレでしょ?アレ。
「こいつめんどくせー。ぬらりひょんの孫じゃなかったら絞め殺してたところだぜ、ふっ」
とか思ってんだろちくしょー!
残念だったね!私がぬらりひょんの孫じゃなかったら縛れたのにね!


「まあはなこさまが望むなら縛ってあげてもいいよ?」

「いやいやいやいや、お前なに紐取り出してんの?ばか?ばかなの?しぬの?」

「死なない程度に縛ってあげるよ」


おち、おおお落ち着けって!
なんでそんないい顔しちゃってんの!?なんでそんないい声でしゃべってんの!?
わけわかんないよ首無!


「はなこさまが暇だって言うから私はきちんと構ってあげると言うのに…」

「なんで私が悪いみたいになってんのさ。言っとくけど私何も縛れとか言ってないからね」

「いいや、はなこさまは私に縛ってほしいという顔をしていたよ」


どんな顔だよ!
この際だから言っとくけど、私にはM気質なんてものない!むしろSだよ!あるのは!
牛頭をからかって遊ぶのが日頃のうっぷんを晴らすいい機会なんだよ!
なのになんでこんな紐に縛られなきゃ…

あれ?なんで私の手首に紐が絡みついてるわけ?


「くっ、くくく首無さんんん!!?」

「ほらはなこがはっきり言わないから」

「悪いの私!?し、縛るな!ほどけ!」

「駄目だよ。お楽しみはこれからだ」


お楽しみってなんだよ!
てかお前ナチュラルに呼び捨て&タメ口かよ!
前々から思ってたけど首無って私への態度とリクオへの態度がすっごーく違うよね!これって私の気のせいじゃないよね!


「それははなこのことが好きだからだよ」

「好きなやつ縛るやつがどこにいるんだよ!?ばか!」




(首無の部屋に来たのが間違いだった…)
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