文章2 | ナノ
マルコ
▼悪戯はほどほどにしとかないと後がやばいって教訓


「うわ」


これはひどい。
「やっちゃった!てへ☆」ぐらいじゃ済まされないくらいひどい。
過去最大、までとはいかないが、ひどい。
明日の太陽拝めるか分かんないくらいひどい。


「私悪くないよね?」

「いやお前が悪い」

「いやいやエースが」

「いやいやいやはなこが」


私とエースの視線の先には無残なほどにまでグチャグチャになったマルコの上着。
誰だよ、こんな所にマルコの上着置いたやつ、出てこい、この私が制裁を下してやる。


「もういっそサッチのせいとかにしちゃう?」

「おいこら聞こえてるぞ」

「……あらサッチ、どうしたの?」


ほんっとこのリーゼントは耳だけはいいんだから!
私はこの忌々しいリーゼントを一睨みして、再びグチャグチャになったマルコの上着を見る。


「これさ」

「ああ」

「棄てたらバレないかな…」

「……多分バレんだろ」

「……だよね」


いつもにないテンションでエースが返事することから分かるように、今回は(も?)やばい。
あのマルコの私物をここまで無残な姿に変えてしまう、ということが私たちの運命がどうすることか、目に見えて分かる。

はあ……と溜め息を吐いた私たちにサッチは馬鹿みたいなテンションで話しかけてきた。


「てか、何したらここまで酷いことなんだよ?」


ばっかだなァ!お前ら!
うっさい、1番の馬鹿はお前だ、バカ。

ちょい、とグチャグチャになっ(略)をつまみながら私たちは再び溜め息を吐く。
そして、ぼそぼそとこうなってしまった経緯をクソリーゼントに話す。


日頃から私とエースはイタズラかケンカしかしない大迷惑なコンビだとはこの船では有名だった。
そんな私たちが今日しでかしたのは、ちょっぴり些細なことで起こったケンカだ。
(理由は、どちらが先にパパに頭撫でられたか、っていうお茶目な理由!)

そんなこんなでそのケンカがヒートアップしていった結果、エースの放った炎を避けるべく私は近くにあった布を咄嗟に身代わりにした。
そして身代わりにしただけでなく、私はその布をエースに向かって投げつけたのだ。

ここまで聞いて賢い方ならもうお分かりだろうが、その布とは


「マルコの上着だった、ってわけ」


はあ、ともう何度目であろうか溜め息を吐いた。
(ちょっと溜め息の吐きすぎで魂抜けちゃわないよね?)


「まあ…私的には、よくもまあエースの炎に焼かれたってのに原型を留めてるこの上着を軽く賞賛したね」

「ああ、そりゃあ俺の上着だからな」

「不死鳥の毛でも編み込んであるとか?」

「んなもん普通に考えて編み込んでねえだろい」

「あは、だよねー………?」


あれ?今気づいたんだけどさ、気づいたんだけど、


エースとサッチいなくね?


その代わりに痛いくらいの殺気が頭上からグサグサ刺さってくるのって気のせいだよね?気のせいだよね?気のせいって言ってください。


「あ、私今日掃除当番だったんだあ。ってことで行ってきマス」

「嘘つくんじゃねえよい。今日の当番はサッチんとこの隊だよい」

「私、お姉さま方に呼ばれ」

「俺から逃げれるとでも思ってんのか?」


滅相もございません。
天下の白ひげの1番隊隊長から逃げて逃げきれた試しがありません。
(因みに捕まったのはこれが初めてではない)

私の手にはボロ雑巾みたいにグチャグチャな(略)がなんとなく放すタイミングを失ってしまい、未だに握られている。

首根っこを捕まれている私には逃げ場なんてもの、ない。


「さァて、どうやって弁償してもらおうか」


私の首根っこを掴んでいる男は何故か嬉しそうにそう言った。



(ふ、普通に弁償するから!)
(普通じゃおもしろくねえよい)
(おもしろくなくていいから!)


アンケートから
久しぶりのマルコ夢…マルコの登場少ない^q^


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