文章2 | ナノ
アレルヤ・ハプティズム
▼タミフルをご所望
「わっ、流行の最先端いってるってほんとだったんだ!」
「はなこ……来てくれたのは嬉しいけど、移っちゃうから帰った方が…」
「アレルヤ冷えピタ貼ってないじゃない!」
「あ…うん、今ハレルヤが買いに行って…」
「え?ハレルヤならさっきコンビニで立ち読みしてたけど?」
「…………熱が上がってきたよ」
「あわわわ!とりあえず氷枕しよう!どこにあるか分かる?」
「えっと、あの棚の中かな?」
「ここ?うーん…」(がさがさ)
「あれ?違ったかな?」(むくっ)
「あ!アレルヤは寝てなきゃ駄目でしょ!」
「え?でも…」
「こんなに熱いんだから寝てなきゃいけないよ!」(おでこに手をあてる)
「あ…う、うん」
「それにしても氷枕ないなあ…」
「ごめんよ、僕がもうちょっと整理してたらよかったんだけど」
「病人は寝る!」
「は、はい!」
「……ハレルヤ遅いなあ」
「電話してみようか?」
「あ、私がするよ!」(ピッ、プルルルー)
「冷えピタと解熱剤頼んだんだけど…」
「え!?座薬!?」
「解熱だよ…」
『あ?なにが座薬なんだよ?』
「あ、ハレルヤ?今どこ?」
『コンビニ』
「ええー…まだコンビニにいたんだ」
「え!?まだハレルヤコンビニにいたの!?」
『今出た』
「ダッシュで帰ってきてよね。アレルヤすごい熱なんだから!」
「まあハレルヤならあり得るけど…」
『お前まさか俺んちにいんのか?』
「あんたが"アレルヤがインフルだ"っつーから来てるの!」
『まじで行くとは思わなかったぜ…』
「もしかしてもしかするといや確実に今まで立ち読みしてたわけ?」
『ちげーよバカ。アイス買いに戻ってたんだよ』
「おお…ハレルヤもいいとこあるね」
『俺のアイスだけどな』
「他人に優しくないやつめ…」
『1番可愛いのは俺だかんな』
「ハレルヤが可愛いだなんて…笑えない冗談だよ…」
「…何を言ってるんだ、ハレルヤは」
『てめえ……あーもー帰んのやめようかなァ?』
「は、あ!?アレルヤが死んでもいいの!?」
「死っ!?え、一体ハレルヤとどんな話してるんだい!?」
『仮にも俺の片割れだぜ?死ぬわけねぇだろ』
「いやいや、アレルヤなら分かんないよ?」
「ああ…また熱が上がってきたよ…」
「ああ!アレルヤしっかり!」
『んだよ?死んじまうのか?』
「不吉なこと言うなバカ!死んじゃ駄目!」
「はなこ…」
『おーおー、俺が帰るまで生きてけんのかよ?』
「おま、走って帰って来いよ!」
『それが人にモノを頼む態度かよ』
「きいいいい!!」
(まともな人を呼んでほしかった…)
まずハレルヤに電話したのが間違いだったと後で気づくヒロインちゃん