文章2 | ナノ
黒羽丸
▼苦労丸
※リクオ姉設定
「だーかーらァ!私は護衛なんかいらないって何回言えば分かるのよ!」
「万が一、リクオさまのようにはなこさまのお命が狙われてしまったらどうするのですか」
「私はリクオみたいに三代目を継いだりしないもーん」
「しかし奴良家の一族である以上はなこさまが狙われないと言う確信はありません」
「私みたいな真人間をなんの妖怪が襲うっていうのよ?」
「はなこさまは真人間ではありません!総大将の血がリクオさまと同様に4分の1も入っています!」
「でも覚醒したことないよ?」
「問題はそれなのです」
「なにの?」
「覚醒していないなら尚更。はなこさまは全く戦う術がないのです」
「えー、でも」
「でも、じゃありません。何かあってからでは遅いのですから」
「まあ…私お母さんに似て可愛いしね」
「(俺が言いたいのはそこじゃないんだが…)」
「誘拐とかにあったらおじいちゃんが泣いちゃうしね」
「(誘拐で済んだらまだいいんだが……しかしはなこさまも総大将やリクオさまに似て一度決めたことは絶対に譲らない質だな……いや、もしかしたらこのまま行けば上手く事を運べるんじゃ……)」
「黒羽丸聞いてる?」
「あ、はい?」
「なんか考えるのめんどくさくなったから買い物行ってくるね!」
「え、あ、ちょ、お待ちくだされ!」
「今、セール中だから行かなくちゃって思ってたんだよねー」
「今しがた話したことをもうお忘れになったのですか!?」
「この前見つけた服が可愛かったの!」
「せめて護衛を…!」
「あー…でも品数が少なかったからもうないかも…って黒羽丸ついてくるなら甲冑はずしてよね」
「はなこさまがきちんと護衛をつけてくれさえすれば」
「おかーさーん!ちょっと買い物行ってくるねー!」
「はなこさま!」
(兄貴のやつが結局護衛についたのか?)
(そうみたいだな)