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ハレルヤ・ハプティズム
▼返事をください


ハレルヤは誰よりも私のことをわかってくれた。ハレルヤは誰よりも心を許せた。

「ねえハレルヤは?ハレルヤは大丈夫なの?」

私は4年ぶりに帰ってきたアレルヤに聞いた。

アレルヤはひどい拷問ばかり受けていたみたいで目の下には誰が見ても分かるようなクマができていた。

そんなアレルヤは私から目を背けて「ごめん」と一言だけ言った。

私は目の前が真っ暗になった。
「大丈夫だよ、ハレルヤも無事だよ」
って言葉を待っていたのに、

聞けば4年前のあの戦いで受けた傷が原因だとか。4年前の戦い、あのティエレンの攻撃…

私の中でふつふつと怒りがこみ上げてきた。ハレルヤを殺した、ハレルヤを奪った。許さない、許せない。


アロウズと戦っている時、私はずっとあのティエレンのパイロットを捜した。憎くて、殺したくて、機体ごと壊すために、

なのに、アレルヤはそんなこと思ってもなくて、それどころかアレルヤはそのパイロットを仲間に引き入れようとしていた。

仲間になんて引き入れないでよ、そんなことしたら私は彼女を殺せなくなる、だけど仲間としてなんて見れない。

私がそう願っても、彼女が仲間になる日はすぐにきた。


私たちが必死に行方が分からなくなったアレルヤを捜していたのに、アレルヤは、アレルヤは、

私はアレルヤにまで怒りがこみ上げてきた。

なんで?どうして?ハレルヤを奪ったんだよ?ハレルヤを殺したんだよ?憎くないの?

「アレルヤは何を考えてるのかな…」

「はなこ…」

フェルトが部屋から出てこない私を心配してきてくれた。
部屋から出ないのは、"仲間"の彼女を殺さないため。もし今彼女に会ったら私は彼女を殺しかねない。ぐるぐる頭の中でいろんな思いが交差する。

彼女、憎い、殺したい、アレルヤ、好き、守りたい、ハレルヤ、殺された、生きてほしかった、

「はなこ、復讐したってハレルヤは喜ばないと思う…」

「なんで…」

フェルトだってあんなに彼女を嫌がってたじゃない。クリスやリヒティー、モレノさんを、

「ハレルヤだってはなこには復讐なんてしてもらいたくないと思ってるよ」

「フェルトにハレルヤの何がわかるの?」

ああ、なんて最悪なんだろう。心配して来てくれたフェルトにこんなこと言って、私のが年上なのにね。

「任務はきちんとするから、」

「はなこ…」

泣きそうな顔になったかもしれない。フェルトも泣きそうな顔になったから。

誰も私のことなんて理解してくれない。

アレルヤなんて彼女のことばかり考えてる。マリー、マリー。なんて女々しいんだろうか。もしかしたらアレルヤはマリーをハレルヤの代わりか何かに考えているのかもしれない、いや、そうに違いない。ハレルヤの空いた穴を彼女で埋めているんだ。彼女なんかハレルヤの代わりにはならないのにね。誰が代わりなんて誰にもできないことくらい分かってるでしょ?ライルは姿形はニールにそっくりでも、ニールの代わりにはなれない。ライルはライルなのにね。それをよく理解してるあなたがどうして、




ああハレルヤ、あなたには死んでほしくなかった。



(なに考えてんだよばーか)




なんだかいきなり書きたくなった…から
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