/土地/


■アルヴァロ=ツェツェ
 二十代の中頃やそこらの男。銀色の髪に青い左目、黒真珠を嵌め込んだような右目。
 悪魔憑きの魔術師。悪魔に憑かれた時に“自己”を含めた多くのことを失くした。調子が良く人付き合いも上手いが軽薄且つ薄情。二枚舌。ピアノ狂い。
■烏(からす)
 本来の体を失くし、アルヴァロに憑くに至った悪魔。烏と蛇とを掛け合わせたような姿、もしくは鱗と羽根を具えた少女の姿をとる。真名は別にある。

■博士(はかせ)
 二十代か三十代か、年齢不詳染みた男。黒髪に鈍い金色の瞳。整った顔立ち。
 シスと共に骨の城に住む食人種。それなりの時を生き、長命に見合った知識を備えるが人嫌いで無愛想。一に睡眠二に睡眠。犬は天敵。
■シス
 十代中頃、白髪に紫色の瞳の少女。祖父と孫という間柄だけあって博士の面影を窺わせる。
 よく笑いよく泣きよく遊ぶ、見かけばかりは至って普通の子供。
■カグー
 二十八歳、灰色の髪に鳶色の目、人間の男。
 元ルルド正規軍軍人であり脱走兵。偽名を使いジャンクヤード在住。従者気質でシスのお友達の座に甘んじている。
■ギグ・トンプソン
 ヒトならざる巨躯に馬の頭骨を頂き、嗄れ果てた声で語る者。
 ジャンクヤード墓地を統括する墓地管理者。骨フェチ。骨命。博士とシスの骨が欲しい。

■レオ・レテノール
 藍色の髪と黒い瞳、二十代後半程度の女性。ハンザキ。
 鳥人、特に軍艦鳥を専門とする王都の生物学者。副業として骨董品から兵器まで何でも取り扱う貿易商をやりながら調査と兼ねて各地を転々としている。
■アレシェンカ
 鮮やかな赤髪に鳶色の瞳の少女。実年齢は二十八歳だが十八の時に殺害され、以降肉体年齢の加齢が止まっている。屍鬼。
 レオの弟子としてベル・オブ・バルメラに店を構え、資金面から師を支えている。守銭奴。
■かぎろい
 銀色の目の残存意思。
 うつろうもの。あらゆる姿形をとり、接触をもった者の正気を奪う。悪戯に人を自滅へと追い込む悪霊。

土地
■灰の荒野
 土壌を冒す腐気により枯れた土地。
 灰の荒野を挟んで海側の西に王国、山側の東に帝国が存在し、両国は長い間戦争状態にある。
■ジャンクヤード
 灰の荒野中央にぽっかりと空いた、腐気の充ちる大穴を取り囲むように置かれた墓地群。
 いかなる法の効力も及ばない為、方々から犯罪者や難民などが押しかけ国の様相を呈している。それでいて墓地管理者の存在故に普通に生活できる程度には治安が良い。
■骨の城
 ジャンクヤード唯一の居住区。装飾が全て骨でなされていることからこう呼ばれる。
 献金もしくは労働を納めることで誰でも住むことができ、住人でいる間は墓地管理者の権限をもって何者からも保護される。

■ハンザキの森
 狂気を孕む獣が闊歩する、障気を生み生き物を拒む藍い森。
 驚異的な繁殖力、再生能力をもって世界を覆い尽くす勢いで年々その面積を増やしている。この森で生まれた生き物はハンザキと呼ばれ、森の木々と同じく傷付ければ障気を生むといわれている。


■悪魔
 異界から喚ばれるモノ。
 名と依代で世界に留まり、召喚者の命に従う従僕。
■ハンザキ
 ハンザキの森で生まれる藍い血の生き物。
 多くは森で生き森で死に、森の一部であるとされる。
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