窓から差し込む月明かりの中。 ベッドの上に、二人で向かい合うようにして座りながら、お互いの指先を紡ぐようにして、ギュッと手を繋ぐ。 二人だけの結婚式をするために。 「……えーっと、アレだな。こういう時、なんて言ったらいいんだろうな」 「あはは、オレもよく分かんない」 「だよなぁ」 「でもさ、結婚って、二人が一緒に居る約束をするってことだよね」 「ん、まあ、な」 「じゃあさ、こうしよう!」 「?」 やり方が分からないなら、自分達のやり方で約束すればいい。 オレ達のやり方で、将来を誓い合おう。 そう考え、オレは不思議そうに首を傾げているキルアの手を取り、自分の小指とキルアの小指を絡めた。 それは、指切りの形。 約束を守るための、しるし。 「ゴン、これって……」 「ずっと一緒に居るって、約束」 「っ、」 「ゆーびきーりげーんまーん、うーそついたーらはーりせんぼんのーますっ、ゆーびきった!」 陽気に、最後まで歌って。 普通だったら、ここで小指を離してしまうんだけど……この島では違うんだよね。 「キルア、このまま親指出して」 「え?なんで?」 「良いから良いから!」 何も知らないキルアは、オレの言動に不審そうな表情を浮かべるけど、言われるままに親指を立ててくれて。 そんなキルアに、オレはニッコリと微笑むと、自分も親指を立てて、キルアの親指にギューッて押し付けた。 「誓いのちゅ〜〜っ!」 「な……っ!」 そう、お決まりの台詞とともに。 キルアはビックリしたのか、慌てて口をパクパクさせながら、頬を目一杯赤くさせている。いつも余裕たっぷりなキルアの、こんな慌てた表情を目の当たりにして、何だか嬉しくて顔が勝手に笑ってしまう。 子供っぽいと言われたっていい。 だってこれが、オレのやり方だから。 “ずっと一緒に居る約束” するとキルアは、“ああもうっ!”と切羽詰まったように叫びながら、ガバッと思いっきり抱き着いてきた。 その勢いに、オレは受け止めきれなくて、そのままベッドに倒れ込み、キルアの下敷きになってしまった。 オレの身体は、キルアの両腕に、身体全体に包まれる。 予告なしの密着に、今度はオレの方が顔中に熱を集めてしまった。 「キルア……?」 「お前、マジで可愛すぎ」 「かっ、可愛くなんかっ」 「可愛いっつったら可愛いんだよ!……何だよ、誓いのちゅーって。俺を萌え殺す気かお前は」 なんてブツクサ文句を言ってるけど……オレだって今キルアに殺されそうだよっ! こんな風にキルアに抱き締められて、心臓がドキドキして息ができなくて、苦しくて死んじゃいそうだもん。 それにしても、キルアの腕の中って、どうしてこんなに気持ちいいんだろう。 あったかくて、優しい匂いがする。 オレもキルアの背中に腕を回して、キルアと同じくらい、力強く抱き着いた。抱き着きながら、息を深く吸って、肺をキルアの匂いでいっぱいにする。 「そうだ、ゴン」 「うん?」 「俺からもしていいか?誓いのちゅー」 不意に、キルアがそう提案してきて。 オレはすぐさま“もちろん!”とOKの返事をして、もぞもぞと片方の手を動かし、キルアの顔の前に親指を突き出す。 キルアも、オレと同じように親指を出してくれるだろうって思いながら。 だけどキルアは、ニヤリと何かを企んでいる感じの笑みを浮かべて、親指を出しているオレの手を、ガシッと掴む。 誓いのちゅーをするって言ったのに、どうして?と疑問に思ったオレは、頭にハテナマークを浮かべてキルアを見た。 ――…と、その時。 「っ、わ……!」 オレの手を掴んでるのと逆の手で、キルアに頬をスルリと撫でられる。 その感触にビックリして、つい目をギュッと閉じてしまった。 そうしたら、 「む……っ!」 自分の唇が、何かとても柔らかいものに、スッポリと覆われて。 よく知るその感触に、思わず目を見開いたら、すぐ目の前には、相変わらず整っているキルアの顔。白い肌。長い睫毛。 瞬間、理解した。 これは、アレだ。 キス、だ。 「……誓いのちゅーは普通、唇(ここ)にするんだぜ、ゴーンちゃん」 「なぁ……っ!」 唇を離して、すぐ。 キルアは完全にバカにした口調で、オレの耳元で囁いてくる。 オレの頭は、ドキドキしたのと恥ずかしいのと腹立ったので、もう爆発寸前。 いや、爆発した。 「キールアーッ!!」 下にミトさん達が居るにも関わらず、そう、全力で叫んでしまった。 小さな愛を誓おう “ずっとずーっと一緒だよ” ―END― ヨシオから頂きました!! ウウウオオアアア〜〜〜ヨシオ…!!!;////; ありがとう…ありがとうございます・・・!!ひいい幸せいっぱいでイチャイチャするキルゴン…!!。゚(゚^o^゚)゚。 なんてかわいい結婚式なんだ…! 微妙だなんてとんでもない読みながら心臓引き絞られるところでした何度呼んでも呼吸するのが辛くてほんとうに、相変わらずツボを的確に突いてきてくれるのでだいすきです…誓いのチュー…!! 最後はキルアのゴンちゃん呼びにやられたのでした ちくしょう語彙が足りない… 素敵なおはなしと萌えと癒しをありがとうございました! これからも仲良くしてやってください〜!!! |