恋愛フィロソフィア |
肉食系男子、草食系男子、ロールキャベツ系男子、最近ではカフェ俺様男子だっただろうか。 男を種別するその言葉に、俺は異を称えたい。 男なんて、みんな肉食系で、草食系で、ロールキャベツ系で、そうしてカフェ俺様だ。要するに全部ひっくるめて男なんだ。 自信がなければ草食系になるし、策士になればロールキャベツ系になる。確信が持てれば肉食になって押すし、付き合えばカフェ俺様とやらになる。だって相手の趣味に理解を示さないとせっかく手に入れた相手に逃げられるんだから。 そんなわけで、現在俺はロールキャベツと肉食を行ったり来たりだ。 「青峰っち」 「…………」 「ん、はぁ、んむ……」 青峰っちは俺の顔が好きだ。おキレーな顔してんな、って言われたこと過去数回。それが何よりの証拠。 第一、顔をぐいと近づければちょっとたじろぐのも、俺の顔悪くないって思ってる証拠ッスよね? だって、生理的に無理な顔だったら顔近づけた時点で絶対手が出る。手が出ないにしても拒絶反応が出る。男ってそういうもんだもの。 意図せず彼に顔パスを貰った俺は自信を持って彼に迫った。 それまでは草食系さながら、従順に「彼に懐いている」様を装って彼の傍に居た。でもそれもしばらくしたら終わり。それからはロールキャベツにシフトチェンジ。 今までどおり従順にしつつ、少しずつ欲を出していく。もういっかい、もういっかい、もういっかい。1対1を繰り返すように時間をつくって、話す機会をつくって。何気ないボディタッチも絡めて。時には猥談も挟んでみたり。 青峰っちはおっぱいが大きい子が好きで、フェラにはすごく興味がある。キスは奪うようにしてみたいけれど、自信がないのでちょっぴり年上のお姉さんにリードされるのも悪くないって思ってる。 そんなことまで知ったら、ロールキャベツのお肉の部分をどうぞ、だ。 部活後の1対1の後、部室で奪う様にキスをして、女の子じゃないけど、俺結構上手いっすよ? そう言って彼の元へと跪いた。 AV見まくってコピーしたフェラを彼にかまして、そうして彼は俺に欲望をぶちまけた。 それからはなし崩し。 「ん、んむ……は、きもち」 「くっそ」 「ァ、あ、お、峰ぇ……ンっ」 「うっせーよ! ちったぁ黙ってろ」 「んぁ、あ、ひッ」 何度も同じことを繰り返して、青峰っちはかなりうまくなった。キス、超気持ちいい。口蓋をくすぐる舌にぞくぞくする。歯茎を舐められるのも、舌を吸われるのもすっごく気持ちいい。 くしゃりと彼の短い髪をなでたら、同じように俺の髪をなでてくれた。そのまま頬を撫でて、首筋へとたどる手のひらの熱が堪らない。 「あぁあッ……」 スルスルと脱がされたYシャツがポスリと情けない音を立てて床に落ちる。そのまま胸の突起を押しつぶされて、甘い声が出た。 「…………」 キスを終わらせて、瞼、頬、首筋と唇が降りていく。指で摘まれ、捏ねられ、ふくりと主張したそこに行き着いて彼の唇がそっとそこを包み込む。 舌でねっとりとねぶられた後に、歯をたてられた。 「ンンぅっ……」 鼻にかかった声が出る。咄嗟に胸元にある青峰っちの頭を掻き抱く。邪魔そうにこちらを一瞥すると、青峰っちはあぐあぐと俺の乳首をひたすらに刺激する。 あ、なんか下がキツくなってきた。なんか腰がもぞもぞする。 「ぉ、みね、っちぃ……下、苦し」 「あー?」 「おねが、さわ、って」 快感に潤んだ目で、甘ったるくお願いしてやる。下をすり、と摺り寄せて、彼の手を取って、そっと熱を持ったそこに持っていく。 羞恥心なんてちっとも持っていない癖に、ちょっと恥じらった動作もつけて。 そしたら彼はアッサリ触ってくれる。 「ったく、堪え性ねぇなぁ」 「ん、ん……だってぇ……しょうがない、じゃ、ないスかぁ……」 気持ちいいんだもん。そう言って見つめれば、顔を赤らめてそらされた。本当ウブ。そこがいいんだけど。 青峰っちの長い指が、下着の中に入ってくる。そのまま俺の反応したそれを包み込む。竿をひとなでし、鈴口をくちゅりと音を立てていじられた。 「はは、もうぬるぬるじゃん」 「ァ、ひっ……ンぅ……ら、ってぇ……」 びくびくと身体を震わせて、青峰っちにしがみつく。限界まで追い詰められたら、今度はその手を制止して。 そうして今度は肉食モードにチェンジ。 「まだ、イきたくな……ん、峰っち、の……で……」 「……おっまえは……!」 「青峰っちの、ちんこ、で、イきた……」 お願い、頂戴? 首をかしげてオネダリしたら、彼は言うことを聞いてくれる。 そうして然程時間をかけず乱暴にほぐされて、早急に入れられて、ピストン運動を受けて。彼と一緒にラストスパート。 何度も繰り返した行為を今日もこなして、二人してぜぇはぁ言いながら抱きしめ合う。 抜く時に感じ切った声をだして、あわてた様に「処理するから先行って!」って言って。 それでも青峰っちはいい奴だから、校門前で待っててくれる。 「待っててくれなくてもいいんスよ?」なんて言いつつ嬉しそうに微笑んで彼に駆け寄れば、青峰っちは気まずそうにそっぽを向く。それも、何回も繰り返した「いつものこと」だ。 青峰っちは大分セックスがうまくなった。 あとちょっと、もうちょっと。 青峰っちが完全に俺の身体にオチたら。 そうしたら全部こっちのものだ。 身体で篭絡、大いに結構。恋愛においてカラダのオツキアイはとってもダイジ。草食系の従順さで彼の信頼を得て、ロールキャベツのしたたかさで彼を絡みとる。そうしてがんじがらめにした彼を肉食系の強引さで獲ればいい。 あとどれくらいしたら青峰っちは俺にオチてくれるだろう。 そうしたら、俺はカフェ俺様とやらにだってなってやろう。彼の全てに理解を示して、彼と甘くてふわふわした関係を楽しむんだ。 「青峰っち、またやろうね?」 「ん? あー、おう。気が向いたらな」 「ん!」 俺が彼に告白できるまで、あと×日。 [Box] |