※オリキャラが登場します
食器を洗い終え、青峰を見れば小さな体には大きいベッドの上でゴロゴロと転がっている。休日はいつもこんなにだらけた生活を送っているのか…いや、思い返せば平日だって充分だらだらと過ごしていた。
午後錬が始まるまで若松は何をして過ごそうか考えていたが、さっきのオムライスのおかげで冷蔵庫の中が空っぽなのを思い出した。午前中の予定は買い出しで決まりだ。
「青峰、俺部屋戻っから、また何かあったら連絡しろよ。」
「…今日何すんの?」
「今から買い出し行って、午後は部活だ。」
昼も適当に済ませてくるつもりだから、青峰の事は桃井か桜井あたりにでも任せておけば良いだろう。部活に関してはとりあえず今日は休ませるとして、体が元に戻らなければその後の対処も考えなければいけないだろう。そこは監督と緊急会議だ。
「俺も行く。」
「…は?」
寝転んでいたはずの青峰は、いきなり起き上がると若松の目の前までとてとてと、寄ってきた。
「買い物、行く。」
その言葉に若松はぽかん、と青峰を見つめた。まさか、自分の外出に付いて来たがるなんて思ってもみなかった。若松の思っている以上に青峰が懐いてくれているのか、それともただ単に一人じゃ退屈なだけなのか。
「も、桃井とか桜井のとこじゃなくて良いのか?」
精神年齢も下がったとはいえ、元々は青峰は自分の事を嫌っていたはずではなかったか。と、若松は己の腹を蹴ったり見下した態度をとっていた青峰を思い出す。
「それにお前、俺のこと嫌いだろ?」
「別に。…嫌いじゃないし。」
意外すぎる反応に若松は目を瞠った。
「そ、そうか。なら…」
一緒に行くか。
そう言おうと口を開きかけた時、ズボンのポケットに突っ込まれた若松の携帯のバイブ音が、着信を知らせた。
「あー、悪い。電話だ。……田島?」
珍しくクラスメイトから掛かってきた事に不思議に思いながら、若松は電話に出る。
「もしもし?」
『若松っっっ!!!ちょっと頼みがあんだけど!!!』
「…は?」