Park
ばーか、ばかばかばか。
「…バカ松。」
昼間の公園は走り回る小さな子供達や、散歩途中の老人夫婦がおり、穏やかな空間となっている。そんな様子をベンチに座り一人昼食を取り終えた青峰は悪態を突きながら観察していた。
けらけらと笑う子供達の笑顔に何故だか悔しさまで覚えてしまう。ふと、視線に気付いたのか子供の一人が青峰を見つめた。
「ねぇ!一緒に遊ぼ!」
「……は?」
自分にかけられた言葉なのは間違いなさそうだ。その証拠に男の子がとてとてと駆け寄って来る。
「今からボール遊びするから、やろうよ!」
そうだった。今の自分はちょうど目の前の彼より少し年上くらいに見えるのだろう。小さくなったため身体能力的には同じ程度だろうから別に問題はない。しかし、それ以上にプライドの問題がある。高校生の自分が、このちびっ子達と遊ぶ?無理だ、外見は同じちびっ子だとしても本来は暴君と呼ばれる男子高校生である。
「あ…悪い俺、」
青峰が視線を下げ、断ろうとした時だった。
「なぁ、それ兄ちゃんも入れてくれねーか?」
胸の奥で待ち望んでいたその声が、頭の上から降ってきた。