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※オリキャラが登場します



「…森山。」


「んー?」


「やっぱ、やり過ぎたんじゃないのか?」



部員達が必死にボールを追いかける体育館でただ一人明らかに練習に身の入っていない男を、森山と小堀は後ろから観察する。



「あそこまでショック受けるとは思わなくてさ〜」



この一件の発案者はもちろん森山なのだが、これは思った以上に効き目がありすぎたようだ。



「笠松のやつ、凄い不審がってるぞ…」



まさか自分が大いに絡んでいるとは知らない笠松は、今日の黄瀬の態度に少なからずおかしさを感じているらしく、集中できていない彼にまだ一度も喝を入れていない。そろそろネタ晴らしをするべきなのでは、と小堀が口を開こうとしたその時。入口付近にいた部員が声を上げた。



「主将ー!お客さん来てますよー!」



入口からひょっこり顔を覗かせている見覚えのある男の存在に、二人は「あっ!」と顔を見合わせる。この予期せぬタイミングで現れたのは、今黄瀬の心中に決して穏やかではない荒波を立てている張本人。話中の彼であった。



「いたいた!お前、これ部活の書類だろ?家に忘れてたぞ。」


「あ…!悪い、わざわざサンキュー。」



ごく普通に進んでいく二人のやり取りに、部員たちは練習を続けながらもチラチラと視線を送っている。そんな中、同じように視線を送る黄瀬の瞳に絶望の文字が浮かび、彼を纏うオーラの重みが一気に増したのを森山と小堀が見逃さなかった。