沢×三?というよりは
沢+三かな…そんな曖昧な感じ





“汝自身を愛するように、汝の隣人を愛せよ”

そんな言葉があるが、決して俺たちの為にある訳じゃない。
例えば言葉の意味をそのまま実行しようとして、確実に出来ないのは隣人を愛することである。
愛する?寧ろ嫌いな位だ。去年のIH二回戦、むかつくことだが俺達はこいつに散々苦しめられたのである。

で、その本人は現在俺の隣の部屋に住み着いている。

あれだけ流川を挑発しておいて、結局日本に留まっている所までは許そうじゃないか、第一俺には全く関係の無い事だし。
だから、何故だ?
東京の大学まで死ぬ気で進学を決めて
大学までほど遠くない割と新築のアパートを見つけ、引っ越し記念に優しい俺は貧乏臭い奴らばかりの湘北バスケ部なんかを呼んでパーティーまでした。


明日は部活が無いからとか言い訳をしながら、潰れるまで飲んだくれたご迷惑ヤロー共たちが二日酔いに苦しむ中、あの日の俺はインターホンの音で目を覚ました。

2LDKの部屋中に其れは響いた筈なのに、飲んだくれ共は誰一人起き上がらない。
玄関に向かう先で何かに躓いた、桜木だ。むしゃくしゃして力のままに蹴り上げたつもりだったのだが痛みに苦しんだのは俺の爪先立った。くそ、どんな腹筋してやがるんだ。

「はい」

「あ、昨日から隣に引っ越してきた沢き、あ、れ?」

ドアを開けて視界に入り込んだのは、めちゃくちゃ健康的な日光と、忘れるはずもないイケメン坊主頭だ。
あまりのことに一度ドアを閉める。パタン、と無機質に音が響く。

十秒程たっただろうか

再び扉を開けるとそこには涙目になって立ち尽くす坊主がいた。

「えーと北、沢?だよな」

「沢北!どいつもこいつも間違えやがって…」

「う、悪い。さわきた、…何泣いてんだよ」

「…いきなりドア閉められて、拒否されるなんて考えてなかったから…」

お袋になんて言えば良いんだぁ、とか喚きながらウチの前でしゃがみ込んで頭を抱えられても、困ります。
止めろ、泣くな。つーか、ほぼファーストコンタクトの他人の前で大泣きするのもどうなんだ?
あぁ、後ろからガヤガヤしている物音が聞こえるし、面倒なのが起き出したじゃないか。

「おい、拒否ってないから泣きやめ」

「え、何々三井サンこいつ山王の沢北じゃん、どうしちゃったの」

「宮城、お前入るなややこしくなるから」

「寿の浮気者ー」

「宮城テメー…」

「俺三井さんのために秋田から来たのに…」

「…オイ」


ふざけた坊主の耳を引っ張って無理やり立たせると、今度は違う意味で泣き出した。
余計な口を挟んできた宮城は気がつけば部屋に戻って勝手に冷蔵庫の中の牛乳を飲んでるし、これって何かの罰ゲーム?


「まぁまぁ落ち着いて、とりあえず今日からよろしくっすー」

「誰が宜しくするか!」





君はお隣さま





*****
0914記念で書いた筈なのに
どうしてかな、+にさえなってないヨ…

とりあえずまだまだ調子乗ってます沢北さん
もしかしたら続くかな?これで終わりは酷すぎますよね
ちなみリョ三でもないよ!冗談リョータくんだよ!
ちなみに沢北さん、後日飼い始める金魚にひさしと付けます、ただの嫌がらせ。
あわれ沢北、ここに引っ越してきたせいで三井さんに振り回される毎日が始まります。
東京ってやっぱ怖い…って夜な夜な枕を濡らすのです、ぐふ。


続きはやっぱりちゃんと書きます!
沢北デイ&沢北アンソロ出版に乾杯♪




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