さらりと流れる黒髪を一束手に取って銀八はその感触を確かめた。


「ヅラ君、もしかしてシャンプー変えたー?」
「ヅラじゃないです、桂です。」


桂はいつもの台詞のあと頷いた。今は放課後。学級委員長として国語科準備室へと呼び出された彼はいつも通りここへやってきたのだ。どうせ雑用でもやらされるのだろう。


「で、先生。用って何ですか?」
「んー、この部屋片付けてくんない?」
「…別に構いませんが…、離してください先生。」


いつの間にかの零距離に桂はほんのり頬を赤らめた。


「前のも好きだったけど、今回のも良いね。」
「何がです?」
「シャンプー。変えたんでしょ?」
「はい。」


銀八は再び桂の黒髪を一束取って、今度は口づけた。


「好きだよ、」
「え、」


呟くように言われた台詞に一瞬空気が止まる。ほんの少しの戸惑いと、喜びにも似た何か。


「…お前の、その髪。」
「…そうですか。」


冗談だ、


「髪だけじゃない──、」


言葉の続きを遮るように、桂は首だけ彼へ向けて自分から口づけた。




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ゲロ甘…久々に書いたよ甘いやつ



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