「アララギ博士のお友達の息子さんと娘さんの名前、キョウヘイ君とメイちゃんっていうんだって」


「へぇ?」


「で、その子達の近所のお兄さんが…なんていったかなぁ?」









第三話

探しもの









「じゃーねー。ここまでありがとねー!」


「迷子にならないようにね」


「ならないよぉ!」


例の二人を探すベルとは別れ、私は私の新たな仕事を開始する。


新たな仕事とは、まぁ、簡単なものなんだけどねぇ。


ヒウンシティにリオルを欲しがっている女の子がいるので、その子にプレゼントするリオルを捕まえて欲しい。

ざっとこんな感じ。

本来の依頼内容はもっと長ったらしかったわぁ。

依頼内容は簡潔に分かりやすく書いて欲しいわね。


「…でも、リオルってどこにいるのかしら?」


「…おい、アンタ」


「生息地くらい教えて欲しかったな」


「おい!無視すんな!」


「あ、ちょうどいいや。キミ、リオルってどこに出るか知らない?」


「…アンタわざと無視してたろ」


「冗談通じない子ね」


私の目の前に現れたのは、ハリーセンみたいなツンツン頭の男の子。

最近の子って目つき悪いのね。

ベルの幼なじみの眼鏡君も目つき悪かったな。


「で?リオルはどこにいるの?」


「リオルならサンギ牧場に…って違う!オレの話聞け!」


「ふーんサンギ牧場…タウンマップ見れば分かるかしら」


「…アンタやっぱここら辺の人じゃないな」


「…だったら?」


「ここまで来たって事はポケモン持ってるんだろ?オレとバトルしろ!」


ハリーセン頭の男の子は、人差し指を私に向けて、そう言い切った。


「人に指を向けてはいけません!」


「今それ言う事か!?」


「私ね、無駄な事が嫌いなの。キミとバトルして私に利益なんかある?」


「くっいきなり正論っぽいのを…分かった。オレとバトルして勝ったらサンギ牧場への道を教えてやるよ!」


…へぇ。この私に交換条件ね。


「…いいわよ。私が負けたらただで依頼頼まれてあげる」


「依頼?…なんの事か分からねぇがいくぜ!」


ハリーセン頭は腰にあるボールからツタージャを出す。

ツタージャはすました顔で一声あげた。


「オレはヒオウギのヒュウ!」


「私はヒロリ。ルールは1vs1でチェンジはなしでいい?」


「おう!早くポケモン出せよ!」


「たいした自信ね。そうこなくっちゃ!いきなさい!スワンナ!」


ベルを運ぶ時も一役買っていた私のスワンナ。

仕事仲間としての能力はもちろん、戦闘力だって馬鹿にならないんだからね。


「相性最悪か…だがオレは絶対に勝つ!ツタージャ!"睨み付ける"からの"リーフブレード"!」


「…スワンナ」


スワンナは私が一々指示を出さなくても、好きにバトルをする。

というか私のポケモンはほとんどそう。

私の面倒臭がりな性格がこうさせたみたい。


まぁでも、それを良く思っていない人もいるらしくて。


「…おい!アンタちゃんと指示出せよ!」


えー…私が指示出すと大概バトルにならないんだよねぇ。

まぁお望みとあらば出してあげようじゃないの。


「…ヒュウ君のツタージャってメスなのねぇ」


「それがどうした…え?なんで分かった?」


「細かーく見れば分かるの、メスの戦い方とオスの戦い方が。まぁたまにオスらしい戦い方をするメスもいるけど…それでも分かるんだよねぇ」


ちょっと泥とかに気をつけたりとか、豪快に技を繰り出すとか。


「…それがなんだっていうんだよ!」


「分からないでしょうね。スワンナ、"メロメロ"!」


スワンナは軽い流し目でツタージャを見る。

…格好付けちゃって。

まぁこれでツタージャはスワンナの虜。


「技なんて出せないでしょ」


「ツタージャ…!くそっ…オレの、負けだ…」


「ふふ、サンギ牧場まで案内よろしくね」


ツタージャは目をハートマークにしてスワンナを見て、それに対しスワンナは澄まし顔でいた。


子供に負けるほど
((落ちぶれちゃいないんだから))


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