聞いてみると、両親とも忍らしい。
父親が現役上忍で、母親が元上忍だって。
…つまり私も忍になるというわけでして…。
…忍者とか死亡フラグやばいじゃん…。
名もない多数の戦死者とか、絶対なりたくない。
という事はつまり、自分だけでも守れる術を見付けないと。
「…んー、ダメだ。全然分かんない」
父親の書斎で忍術書を見付けたものの、読んでもさっぱりな内容が多かった。
むしろ私でも分かる内容なんて一つもない。
まずチャクラってなに。
「むー…」
自分の手を開いて見る。
手の平から得体のしれない力が出ないか力を込めてみるが、何かが発動する気配はなし。
…私って忍術の才能ないのかな。
「…ユウ、何をしてるんだ?」
「はっ!?べ、別に…」
うぉっ…いつの間に帰ってきたんですか父上…。
全然分からなかったんですけど…。
てゆーかいきなり背後に立つのはやめて。
心臓に悪い。
「ん?俺の忍術書じゃないか」
「ご、ごめんなさい!」
勝手に見たら怒るよね!
急いで戻すから!
「やっぱ母さんと俺の子だな!この年で忍術に興味津々なんて!」
「!」
えらいえらい、なんて言いながら頭を少し乱暴に撫でる父親。
ダメ…じゃなかったのか。
良かったぁ。
「でもこれ難しいやつだぞ?まずは基礎からやらないとな」
「きそ…?」
そーか、いきなり難しいのからやっても分かるわけないか。
…ならば。
「…おとーさん、基礎、教えて!」
「お?いいぞー。父さん、ユウの為ならなんでも教えてやる!」
「ありがとー!」
よし!思えば父親も母親も忍なんだ。
先生はこんなに身近にいるじゃん!
まぁ母親は元がつくけど…。
結論:早くやるに超した事はない
(教えてやるが、俺は厳しいぞー?)
(はい!おねがいします!せんせー!)