家に帰ってから、イタチさんに貰った巻物を机の上に置く。
イタチさんは里を出ると言っていた。
もう、戻らないとも。
「…考えてもしょうがないか」
ただ一つ言えることは、ずっと先の未来で会える。
なんとなくそんな気がする。
「…ご飯の用意でもするか」
「腹が減っては戦も出来ぬというしネ!」
「………」
「…なに当たり前のようにソファーに寛いでんですか不法侵入者」
「いやぁいいソファーだ。つい眠ってしまいそうになる」
「そうですか。真剣な顔でソファーを誉めても通報は止めませんよ」
「まぁまぁ落ち着いて、お茶でも飲みなさい」
「あ、もしもし火影様ですか?」
「ちょ、火影様は勘弁して」
ちくしょー。
なんでこの人の気配に気付かなかったんだ私。
五分前の私に知らせたい。
「…で?なんでここにいるんですか?カカシさん」
「ユウちゃんがちゃんとご飯食べてるかなーって心配になってネ」
「心配せずともちゃんと食べてますよ。だから早く帰ってください」
「よし、今日はオレが作ってあげよう」
「帰れ」
結局、ご飯はカカシさんに作ってもらうことになった。
手間が省けていいかなって思ったんだけど…ちゃっかり自分の分も作ってるよこの人。
私が買った食材で。
「はーいお待たせ」
「チャーハンですか」
「オレ特製チャーハンだヨ」
なにが特製なのかはきかない。
きいたらこの人は調子に乗るから。
「…いただきます」
「はい召し上がれ」
カカシさん特製チャーハンを、スプーンで一口分だけ掬って口に運ぶ。
「……!」
「どう?」
「…………普通、ですね」
びっくりするくらい普通だった。
「…なにが特製なんですか?」
「ん?ききたい?」
カカシさんはニヤニヤした顔を向けてきた。
…はてしなくウゼェ…。
「このチャーハンには…」
「………」
「オレの愛情が入ってるんだヨ☆」
「さむっ」
やばい、カカシさんがウザイ。
ウザさで人一人くらい殺せるんじゃないかな。
少なくとも私は死ねる。
まだ死なないけど。
「まぁまぁ、早く食べなさい」
「………」
私が再び食べ始めたのを見て、カカシさんも食べ始めた。
…マスクは取らないのかな。
「…カカシさん」
「ん?」
「今日は何しに…食べるのはやっ!?」
私が目を離した隙に、いつの間にかカカシさんの皿は空っぽになっていた。
忍って早食いじゃないといけない規則とかあんの?
「さっきも言ったとおり、ユウちゃんが食べてるか心配になって来ただけだヨ」
「え?あ、はぁ…そうですか」
結論:よくわからない
(あ、ユウちゃん、頬にご飯粒ついてるよ)
(…あ、本当だ…いや、自分で取れますよ!?)
(えー)
((やだ何このロリコン))