両親の葬式から三日たった。
最初こそ両親のいない生活に色々と違和感を感じたもの、昔は一人暮らしをしていため慣れてしまいそう。
まぁでも、心にぽっかり空いた虚しさは慣れなそうだけど。
アカデミーに行く事はとくに抵抗はないので、変わらずに通っている。
周りには知れ渡っていて、イルカ先生やヒナタ、いの、チョウジに励まされた。
シカマルには何も言われなかったけど頭を撫でられた。
何様のつもりだ。
そんな事より、アカデミーにいって驚いた事がある。
それはうちは一族が全滅していた事だ。
たった一人を除いて。
人伝だから詳しい事は知らないが、うちは一族がサスケ君を残し殺されてしまったらしい。
誰がやったとかも知らない。
サスケ君だけ生き残ったという事はイタチさんも殺されてしまったのだろうか。
私の術式を理解したりと凄い実力を持ってそうな人だったのに…。
…術の相談が出来なくなって残念だ。
アカデミーが終わり、ヒナタ達と別れた。
両親が死んでからは修行をやる気になれず、森には近寄りもしていない。
「…佐々木ユウ」
「?…あ、」
突然後ろから話しかけられ振り向くと、そこには…。
「あ…イタチ、さん?」
「………」
どこか前よりだいぶ老け込んだイタチさんが立っていた。
「イタチさん、無事だったんですね。うちは一族はサスケ君以外亡くなったと聞いていたので…」
「まだ…何も知らないのか」
「え?」
そりゃ確かに何も知らないけど…なんか含みがある言い方だな。
「…ヤスノリさんとナツコさんのことは聞いた」
「あー、はい…」
「正直、今の君にこれを渡すのは気が引ける」
「…?」
「本当はいつもの君に渡したかったのだが…オレには時間がない」
「ちょ、何の話ですか?」
「………」
イタチさんは話すのを止めて私を見る。
その顔は無表情で何を考えているかまったく解らなかった。
「…君に託したい物がある」
「…?」
イタチさんは懐から一つの巻物を取り出した。
見たところ普通の巻物のようにみえるが…。
「…これは?」
私が巻物を受け取ったのを見届けると、イタチさんは私から離れる。
「…オレは里を出る」
「え?長期任務です…か…?」
巻物に向けていた目をイタチさんに戻すと、イタチさんの下半身が…カラスに…?
「え?え?」
「もう里には戻らない」
「え?どういう…え?」
カラスの分裂が首下にまでなったにも構わず続けるイタチさん。
正直不気味だ。
「…小太郎を、頼む」
「は?いやカラスが…イタチさん!」
最終的には私に微笑みかけながらカラスに分裂して消えてしまった。
意味が理解できない
(今のは…もしかして幻術?)
((空が赤くなる中、残されたのは私と一つの巻物だけだった))