今日の修行は休み。
ついでに言えば森へ行くのを禁止された。

なぜかって?肋折ったからだよ。

あの後、無事(?)家に帰ると、母さんからの雷が待っていた。

帰るの遅くなったし怪我までしてるしで、ものっそい怒られた。

…森行くの禁止にするならアカデミーも休ませてくれればいいのに。


「…ぅあー…暇だぁ…」


いま私はアカデミーじゃなく、なんか…よく分からないところ。
とりあえず空が見えて気持ちいい台の上。

うんまぁ実を言うと…アカデミーサボっちゃった。
肋はもう痛くないんだけど…なんとなく?
面倒臭かっただけなんだけどさ。


「…平和だなぁ…」


風が吹いて気持ちいいし…なんか眠くなっちゃった…。




ハッと目が覚めた。目に入る空は少し赤い。

…やべ、寝過ぎた!?

慌てて身体を起こすと、自分のお腹に何かかかっているのを見付けた。

…なにこれ、上着?誰の?

辺りを見回せば、私の側で丸まって寝ているシカマルの姿が。

…なんでいるし。


とりあえず彼のであろう上着を彼にかける。

…さて、どうしようか。
シカマルの寝顔でも眺めていようか。


「………」


ちくしょー、顔整ってんな。
まだ子供だからかモチ肌が羨ましい。
まぁ私もまだモチ肌だがな!

…しかしこいつよく寝てるなぁ。
授業中もほとんど寝てるし…人の事言えないけどさ。


「…ん、んぁ?…ぅお!?」


シカマルをジーッと見てたら、起こしてしまったみたい。
シカマルは私の顔を見て台の上から落ちた。

…そんなに驚くか。
地味に傷付く。


「いってー…」

「…おはよ」

「……あぁ、はよ」


一瞬、何でこいついるんだって顔しやがった。
それはこっちの台詞だ。


「…うわ、もうこんな時間かよ」

「シカマル、上着ありがと」

「ん?あぁ」

「…なんでここにいんの?」

「ここはオレの特等席なんだよ」

「…はぁ?」


欠伸しながらそう答えるシカマルに呆れた声しかでない。

ここは公共の場のはずなんだけど…。


「そういうお前もなんでここにいたんだよ。骨折して休みのはずだろ?」

「いやぁその…って、え?骨折して休み…?」

「違うのか?イルカ先生がお前ん家の母ちゃんから連絡きたって…」

「え?」


…母さんにはお見通しってわけか。

どうやら私がアカデミーをサボるのを見通してあらかじめ連絡したらしい。

じゃあなんで行かせたし。
行かなかったけど。


「…違うのか?」

「いや折ったのはホント。肋折ったんだよね」

「肋ぁ?お前…マジかよ」

「ホントホント。なんなら見る?」

「はぁ!?ばっ、見ねぇよ!!」

「いや、そんな力いっぱい否定しなくても…冗談だよ」


なんか再び台から落ちそうな勢いだったんですけと。
腹見せるだけなのに…。


「…ったく、何してんだか知らねぇが無茶もほどほどにしろよな」

「…シカマル…」


ちょっと顔を背けて言うシカマルの顔が赤くみえたのは…夕日のせいなのかな。


「シカマルって…なんか可愛い」

「はぁ!!?」


たまにサボるのも大切
(お前…!男に可愛いわねぇだろ!)
(え?あー…ごめんごめん)
((年下感覚でつい))

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