「…ぃ…お…い…」
……ん。
「ぉ…い…おぃ…」
だれ…?
「…おい!」
「!」
「やっと目ぇ覚めたか」
「…!?」
ぅおっ!?き、きつ…!?
「…狐?が喋った…!?」
「おま…第一声がそれかよ」
私の目の前には、なんか…ちょっとというか結構…とりあえず私よりは大きい狐がいました。はい。
え?なにこの生き物。
とりあえず身体が横になっているようなので、上半身を起こす。
「…っ、痛い…?」
「痛いのは当たり前だな。多分骨の一本や二本は折れてんじゃねぇの?」
「…骨折?」
あれ、私何してたんだっけ。
衝弾符を改良しようと思って…狐に紙取られて…!
「狐!狐は!?」
「あ?」
「いやあんたじゃなくて小さい狐!」
目の前の大きい狐は目を細めて愉快そうにニヤリと笑った。
「その小さい狐たぁ…こいつの事か?」
ボンッと音がし、狐の周りが煙で包まれる。
「…うそ」
風で煙が晴れたそこには、私が庇った小さい狐がちょこんとおすわりしていた。
「…ちゃんとした狐だ」
「どういう意味だこら」
私はナルトほど馬鹿じゃない。
だからすぐに分かった。
「あんた喋れたんだ」
「ん?なんか目を付けるとこ違くね?まぁ今までお前にちょっかいだしてた狐はオレ様だ」
うわ俺様タイプだ。
こういう奴って意外と扱いやすいんだよな。
「…あ、だったら私の研究成果はどこにやったの?」
「あー…あの紙なら…」
「…目が覚めたか」
「…?」
後ろから急に声が聞こえたから後ろを振り向く。
びっくりしたー…人いたの…か……。
「…な…祐、介…?」
結論:突如現れる存在
((いるはずがない))
((だって彼は前の世界の存在))