チャクラを練る。
薄く伸ばす。
固める。
これで固い防御壁の完成。
「…理屈は簡単なんだけどなぁ」
今回の目標は防御技の“衝弾符”の習得。
…いや、もう術式は完成してるんだけど…。
「チャクラ物凄く食うんだよなぁ」
そもそも、符術は紙に術式を書いてチャクラを込めるだけ。
術式が印の代わりになっている。
簡単な術は印を結ぶ回数が少なく、チャクラもそこまで消費しない。
しかし、難しい術は印を結ぶ回数が増え、速さを求められ、チャクラの消費量も多くなる。
これは術式でも言える事だ。
つまり、術式が長くなればなるほどチャクラの消費量は半端ないってこと。
私が作った“衝弾符”の術式は、まぁ予想通り長くなっちゃったんだよね。
この符を使うには、今の私のチャクラでは量が足りない。
一回使えば即目の前真っ暗だ。
「…そんな技、気軽に使えないよ」
はぁ…。
改良はできそうなんだけどなぁ…。
自分って実はそこまで頭良くないのかなぁ。
…誰かに相談しようにも、まずこの術式を理解してる…もしくは理解できる人じゃないと話にならないし…。
…カカシさんに相談してみるべき?
でもなんか負けたような気がするんだよなぁ…。
ガサ、ガサガサ
…ん?
「あれ?術式まとめた紙…って、あーーー!!」
また狐に取られたし!?
何回やられればすむんだ私!?
てゆーかあれはやばい!
なくされたら今までの苦労が水の泡に…!!
「…っ、返して!!」
慌てて狐を追うが動物ってすばしっこい!
なんかたまに馬鹿にしたようにこっち見るし!!
あー…もう…!
「マジ怒った…早くその紙、返せーーー!!!!」
狐の足止めをしようと周囲の木々に炸力符を投げる。
「!?あっ!!」
どうやら手元が狂ったらしい。
狐の目の前で倒れる筈だった木々は、狐の方へ傾いて
「危な…!!」
狐を押し潰そうと…
「…っダメ!!」
気付いたら私は“衝弾符”を張っていて
私に向かって倒れた木々は“衝弾符”でぎりぎり留まっていて
でもチャクラの消費がやばくて
すぐに目の前が真っ暗になって
結論:狐の泣き声が聞こえた
((安心して、と笑いかけたかった))
((でも身体はまったく動かない))