やべぇ優越感ハンパない。
…でもなんか余裕そうだなこの銀髪。
「…何笑ってるんですか。」
「いーや別に?」
うわ、なんかムカつく。
…まぁいいや。尋問タイムとしようか。
一枚の札を取り出して、いつでも相手に貼れるように構える。
「さて、なにが目的でこの森に侵入したのですか?場合によっては吹き飛ばしますよ」
転んだせいで顔とか服とか汚れまくってカッコ悪いとか気にしない。
ぶっちゃけ足痛いしチャクラの消費半端ないしでこっちはクタクタなんだ。
「…一つ聞いていい?」
「なんですか?時間稼ぎなら無意味ですけど…まぁいいや。どうぞ」
「この術はなに?見た事ないけど、血継限界?」
「血継限界なんて大層なものじゃないですよ。それは“符術”です」
「符術…?」
怪訝そうな顔で繰り返す銀髪忍者。
「聞いた事ないって顔ですね。当たり前です。おそらく私が初めて使うんですから」
「…自分で開発したの?」
む、なんだか信じてないな。
まぁまだ私ガキだもんな。
しょうがないか。
「符術というのは…うーん…作りは起爆札とだいたい同じですね。ちなみにさっき言った“吹き飛ばす”というのは比喩なんかじゃないですよ」
そこまで言って持っていた札を、そこら辺の木に投げる。
―ドォン!
札が張り付いた瞬間に木が吹き飛ぶ光景を見た銀髪さんは、どうやら冷や汗をかいているらしい。
しかしそんな銀髪さんに構わずニコッと笑いかける私はきっと鬼畜だ。
「今のは符術の一つ“炸力符”です。文字通り見た通り力が炸裂する符ですね。あと“三符囲み”についても教えてあげましょう」
三つのクナイを取り出し、三方向に投げる。
刺さった木から布らしきもの落ち、それぞれ札を見せた。
「…結界法陣か!?」
「えぇそうです。忍具とは素晴らしいですね。こんな応用が出来るんですから…まぁまだチャクラ足りないから範囲が狭いけど…」
「いやいやその年で高等忍術を使うなんて…」
「え?高等忍術なんですか?」
「え?知らなかったの?」
「えぇ、適当にあった本を適当に読んでいただけなので…」
あー、どおりでチャクラの消費量が回復量に追い付かないわけだ。
三符囲みの符は、おなじみの蛇拘符に“生吸符”と“精吸符”を使っている。
生吸符は相手の体力を奪って、こっちの体力を少し回復させる術。
精吸符は相手のチャクラを奪って、同じくこっちのチャクラを少し回復させる。
単体の術なら少しは消費量もマシなんだけどなぁ。
「…まぁ、そんな事はどうでもいいんです。早く目的を吐いてください」
「うーん…忍術に関してはピカイチなんだけどねぇ」
「…は?何を…」
―ボフン!
あ!え!?
銀髪忍者が急に木に…!?
「…っ変わり身!?」
「せいかーい」
「しまっ…!」
敵が後ろにいると気付いた時には、既にクナイを向けられ身動きができなくなっていた。
いつの間に変わり身なんて…!
「形勢逆転だ」
結論:絶体絶命大ピンチ
((油断していた…わけじゃないのに))