俺の追試チームは日向ヒナタと秋道チョウジ。

正直、微妙なチームだ。

…ったく、なんで俺まで追試を受ける事に…こんな事するくらいなら兄さんに手裏剣投げを見てもらった方が有意義だ。


「えっと…よろしくね?」

「うん、よろしく」

「…足引っ張るなよな」


さて、俺達の相手は…うずまきナルト、奈良シカマル…佐々木ユウ?

そんな奴いたか?

…まぁいい。


「俺達が札を持ってないという事は、あいつらから札を奪う。単純なルールだな。とりあえず、あいつらを探すぞ」

「シカマル達を見付けたら?」

「俺があいつらから奪う。それだけだ。行くぞ」

「え、あ…」


こんなもの…さっさと終わらせてやる!




「見付けた…!」

「…げっ」

「見付かった!シカマル!どうするってばよ!?」

「…ちっしょーがねぇから応戦するぞ!」

「作戦ナシに!?」


シカマルは印を構え、ナルトは慌てたようにクナイを構える。

その間にヒナタとチョウジが追い付いてきた。


「サ、サスケ…!勝手に一人で行かないでよ!」

「チームだから…協力しないと…!」

「協力したかったら、そこでじっとしてろ!」

「…影真似の術!」


シカマルの影が俺の影目掛けて細く伸びる。

あれはたしか、影と影を繋げてこっちの動きを自分の動きどおりに動かす技だな。

ならば避けるが勝ちだ!


「サスケ!後ろ!」

「!」

「もらったぁ!」


なるほど、シカマルの技で避ける方向を予測し、すぐにナルトに殴らせるか…悪くないけど…。


「…甘いんだよ!」

「!ぎゃっ!?」


体を無理矢理捻らせ、遠心力を使い力いっぱいにナルトを殴り返す。


「…ってぇ〜」

「ナルト、大丈夫か?」

「う〜…なんとか…」


おかしい。相手が一人いない。


「…おい」

「なんだよ」

「もう一人はどうした」

「…ユウなら、ヒナタと戦いたくねぇってどっかいったよ」


なんだその理由は。
そんな事言われたヒナタも逆に困るだろう。


「あいつ成績はヒナタの二の次なんだろうな」

「な、なんか…ごめんなさい…!」

「敵に謝ってどうするのヒナタ…」


…まぁお遊びはここまでだがな。


「…お前らの札は貰ったからお前らには用はない」

「…なっ!」

「あー!いつの間にー!?」

「じゃあな!ドベの集まりども!」

「あ!ま、待ってよ!」

「あ…じゃ、じゃあ」


相手が動き出す前にさっさと移動する。

…よし、撒いたな。


「はぁはぁ…サスケ、早いよ…」

「…チョウジ君、大丈夫?」

「足引っ張るなって言っただろ。それに、一応遅めに走ったはずだ」

「サスケの遅いは僕には速いよ…」


…しかし呆気なかったな。
もう少し粘ると思ったが…。

奪った札を何気なく見てみる。
何の変哲もない、ただの木の札だった。


「……ふぇ」

「…?何か言ったか?」

「?僕は何も言ってないよ?」

「わ、私も…」


…気のせいか?
いや、何か気配がする…!


「ヒナタ!白眼を使え!」

「!う、うん…!」


白眼で周りを探っていたが、俺を見た瞬間、はっとした表情になった。

…まさか!


「サスケ君!その札…!」

「くそ!」


慌てて札を地面に投げ付ける。


―ボフン!


「いったー…もうちょっと丁寧に扱ってよねぇ」


札があった所にはパーカーの女が尻餅をついていた。


結論:見事に騙される
(え?え?ユウ?)
(ユウちゃん…)
((あーぁ、バレちゃった))
((あれが佐々木ユウ))

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