short | ナノ




ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ………


「…んんん、うるせぇー…」


バンッ!


…………………。












「って!今日☆が来る日じゃねぇかあっぶねえ!」


そうだそうだ、早めに目覚ましかけてたの忘れてた。
うーんと目を擦って時計を確認すると、まだ☆が来る4時間も前だった。

さすがに早すぎたか…?でも、寝坊なんてするわけにもいかねぇし…

……………。

……っああでも!最近地味に夜遅かったしな…

ま、アラームつけときゃ大丈夫だろ!あと1時間後に起きるか。








…このときそう思ったにも関わらずアラームをつけずに寝ちまった、俺がバカだったんだ。






---------------

《一時間後》









---------------

《二時間後》











---------------

《5時間後》



………ん、うーん……、
今、何時だ…?時計見たいけど、目が開かねぇー……



…………………。




…………………?


何だ…………?

今、首…と、肩あたりに、何か…ふにゃって…




「あ…あの、ポッド、くん…?」




…☆の声……?

そっか、俺、まだ夢見てんだ………


「ポッドくん、起きて…起きてください…」


んんん、☆の夢が見られるなんて幸せだな…
…それに何か、新婚さんみたいなやり取りだ…


…そういや、夢なら何で目の前が真っ暗なままなんだ…?


………

…これ、本当に…夢なのか…?



「……☆…?」

「はい、あ、あの」

「………………」

「………おはようございます……」

「え゛、☆!?」


うっすらと目を開けると。

そこにはなんと、超至近距離で顔を真っ赤に染めた☆が俺の上にのっかっていた。

のっかる、って言うか、俺の顔の両側に肘ついて…これはどっちかと言うと、…被さってるみたいな、


「って言うか!ななな、何で☆がココに!?」

「そ、それは」


ちちち、近ぇ!!こんな近くでそんなカオすんなって本当頼むから!


「と、とりあえず俺起きるから☆ちょっ、…………………」

「……あっ!………」



ちょっとこのままじゃ色々保たねえから、とりあえず起きねぇと、


…………


待て待て待て待て待て待て!ちょっと待て待て待て待て!



「なっ、なんつー格好してんだああああ!!」



ガバッと起きあがって正面から見ると、☆は、その…いわゆる裸、エプロン…

やべえ、直視できねぇ!



「っ、そのエプロン、」

「あのっ!これはその、コーンさんとデントさんが…」

「あいつらが…?」

「あの、こうすればポッドくんが起きてくれるし、喜んでくれますよって…っだから、わたし…」

「…………」


俺は半ば泣きそうになっていた☆が紡ぐ、か細い声を必死で聞き取った。

…時計を見ると、昼過ぎ。


「ごめん、こんな時間まで寝てたんだな、俺…情けねぇ」

「そんな、ポッドくんは毎日お仕事で忙しいから…ゆっくり、休んでほしいです」


☆は羞恥からなのか、あまり喜んでいないふりをしている俺を見たからなのか、しゅんとして下を向いてしまった。

…だって、なあ?

本音は真逆。本当は今すぐ☆に触れたいし、キスしたいし、抱き締めたい。
でもこんな格好してる☆に少しでも触れたら…理性、切れちまうから。


「…っ、ごめんなさい…勝手なことして」

「いやいやいや!☆は悪くない!」

「…でも…」


おずおずと視線を上げて、俺の手をぎゅっと握った。

ああああヤメテ☆ちゃん!俺本当もう、限界!限界だから!


「う、嬉しかったぜ、起きてすぐ、☆の顔見れて…」

「……!」


しゅんとする☆に耐えきれずそう言うと、☆はパッと顔を明るくして、俺の腕に抱きついてきた。


胸!胸当たってるから☆!それにエプロン越しだから感触リアルなんだよ!

制止しようとチラッと☆の顔を見ると、

本人は自覚してないんだろうが、上目遣いで、しかも涙目で真っ赤な顔、上から見下ろした時にエプロンの隙間からくっきりと見える☆の豊富な胸…、

…あれ、つーかこのエプロン、どっかで見覚えが…?


「☆、そのエプロン」

「あ…これは、コーンさんに渡されて…タンスの中に入ってた、ポッドくんが昔使って……あっ!?」

「………っ」


俺が昔、使ってたエプロン。
☆にはちょっと小さめで、特に胸がきつそうで、そのせいで裾が短くなってて…

俺のエプロンを☆が………、

…ちくしょ、もう駄目だ。

こんなことでさえ、相手が☆だから。俺はどんどん余裕がなくなって、ついに☆を押し倒して、深い深い、キスをしてしまった。


「んぅ……っ!?」

「散々俺を煽ったお仕置き、今からたっぷりしてやるよ」

「そ、そんな…!」


一度触れたら最後。理性なんて吹っ飛んで、俺はどう☆を可愛がってやろうかとゾクゾクしていたのだった。







「ポッド、お楽しみのとこ悪いけど、冷めちゃうから朝ご飯持ってきたよ」
「!!デント、さん…!?」
「他の奴の名前なんか呼ぶなっ、」
「ぁぁあ、ごめん、なさい…!」
「…おっと、これは失礼」





「ポッドって鬼畜属性だったんだ」
「意外ですね」



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